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稀にいつも、手品をする子(バイト先男女。先輩と新人)
こちら『ドラマティックが止まらない』(https://ncode.syosetu.com/n9047lt/129/)のバイトちゃんと。
バイトの休憩室。
喫茶店の所為か、ここにも珈琲の香ばしい薫りが漂っている。
「おもしれぇ女って思いません?」
「……誰が?」
休憩中の俺に話しかけて来たのは、今からバイトに入る新人だった。
生き生きと働く彼女は、すでに常連さんたちに「梅ちゃん」とあだ名で呼ばれていた。
「私がですよぅ」
エプロンのポケットから、いきなり花束がポンッと飛び出す。
「手品、いつも仕込んでんのん……?」
「まあ、稀にいつもですよぅ」
いや、どっちやねん。
花束を受け取りながら、俺は胡乱なものを見る眼差しをしてしまう。
しかし、彼女は一切意に介さず、ニッコニッコと微笑んだままだ。
強心臓か。
「で、お前がおもしれぇ女かって?」
「ええ、はい。そんなのをお求めだって風の噂で聞いたもので」
後輩やな、とすぐにわかった。
「面白いが、おもしれぇ女とはちょっとちゃうな」
「ふむ?」
彼女は首を傾げてから、
「難しいですね!」
明るく言った。
何が難しいのか。というか、何でそんなことを聞いて来るのか。
こちらが問う前に、彼女はサッと身を翻し、店の方へと去って行った。
END.




