偽物の夜空が映し出す(ロマンシス。自分の重めな友愛に気付く。女子高生)
久しぶりに訪れた近所のプラネタリウム。
後ろへ倒れる椅子に、友人と二人でちっちゃい子みたいにはしゃいでしまった。
近くの子どもたちも楽しそうにきゃあきゃあと笑っている。
時間になると、部屋はぐんと暗くなった。そして、解説のお姉さんの言葉に合わせ、天井……夜空にどんどんと星が生まれていく。
それを見上げ、
「実際の空でも、これだけ星が見られたらいいのに!」
そう言った彼女の瞳が、プラネタリウムの星々より、うんとキラキラしているのを見たとき。
(ずっと一緒に居たい)
と何故か強烈に思った。
彼女がこうして目を輝かせる瞬間に、何度でも立ち会いたいと思った。
この想いの強さに、私は自分で自分に驚いた。
だって、胸が詰まって、うっかり涙が出そうになったのだ。
私の大変化に合わせるよう、天井の宇宙も千年前の空へと移り変わっていく。
更に煌めく架空の夜空を、彼女は食い入るように見つめていた。
真剣に。それでいて、楽しそうに。
(いいなあ)
ずっと、その顔を見せていて。ずっと、こうして楽しい時間を一緒に過ごして。
何だろう、この想いは。
私はひとまず自分の気持ちを落ち着かせるため、天井へと視線を戻した。
夜空の星々が線で繋がれ、星座が作られていく。
それぞれの星座の名前が紹介される中で、
(でもきっと、これは恋じゃない)
私の中の冷静な部分が、自分の鮮烈な感情をそう分析した。
こんなにもこの先一緒に居たいのに。それでも確かに、これは恋ではないのだ。
彼女と手を繋ぐのは悪くないが、かと言ってそれ以外の場所に触れたいとは思わなかった。キスをしたいとも思わない。彼女の唇はぷるぷるで、きっと触れたら気持ち良さそうなのに。
そのくせ、ただただ一緒に居たい。
彼女の倖せそうな横顔をずっと見つめていたい。
この気持ちだけは、異常なまでに強かった。
(ああいっそ)
これが、恋だったら良かったのに。
そうしたら、進むのも諦めるのも、まだはっきりとしていてわかりやすかっただろう。
夜空に作られた無数の星座。
あんな風に、名前を付けられたら、物語を与えられたら、どれだけ良かったか。
何処へ行けばいいかわからない感情を抱え、私は暗闇の中、独り途方に暮れてちょっぴり泣いた。
END.




