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この手が貴女をつくっている(同棲百合)

「あの……お願いが」

「マッサージか」

「はい……」

 月に一度。清風きよかは、私にマッサージを頼んで来る。

「……今回も固いな」

「すみません……」

 いつも肩も腰もバッキバキに凝っているから、申し訳なさそうな顔で言い出すのだが、私としては願ったり叶ったりだ(寧ろ、叶うならもっと頻繁にしたい)。

「最近、あんまり肩を回してないだろう」

「うーん。忘れてましたね……」

「食事前にするよう声がけするか」

「その方がいいかも知れません」

 清風の身体のことを把握できるし。

「ちょっと痛いかも知れない」

「んっ、だいじょうぶ、です。……もっと」

 ドキドキするような声を他人に聞かせなくて済むのが助かる。

 心から助かる。

 凝り固まった身体を、摩ったり、揺らしたり。ツボも押したりして、ほぐしていく。

 身体の状態を、戻していく。

 ……私の、手で。

「はー……! すっきりしました」

「それは良かった」

「すみません、プロに無料で」

「構わない。ある意味、練習台でもあるから」

「あはは、どんどん使って下さいね」

 彼女の身体が、自分の力によって健やかに保たれる。

 その明るいような、暗いような喜びを、今月もしっかりと味わった。


 END.


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