あなたの中の少女を、きっと(歳の差百合。年上×年下。どちらも成人済)
パレードの最中。
楽しげに踊る踊り子さんたちより、キャラクターたちが乗っているフロートより。
隣に居るあなたの横顔に惹かれてしまった。
明るい音楽。夕暮れに向かう空の色。それらをバックにして、パレードに魅入られたあなたの瞳はきらきらと輝き、まるで小さな女の子のようだった。
なんて可愛い。愛おしい。
胸が、ギュッと掴まれたみたいになる。
賑やかな音楽も、人々の歓声も、遠くに聞こえる。
いつも綺麗で恰好良い大人であるあなたが、今はただただ目の前のことに夢中になっている。ちっちゃな女の子に戻っている……。
そのときふと、胸の奥から温かなものが湧き起こった。
可愛い、愛しい、守りたい。大事に大事に、そっとこの手で包んでいたい。
年上で、尊敬もしていて、とても頼りになる恋人なのに。
私は、そんなことを強く思った。
「芽瑠ちゃん!」
こちらへ顔を向けた桐子さんの顔には、満面の笑み。
胸が、更にきゅんと優しく疼く。
「楽しいね!」
弾んだ声に、
「はい!」
私は頷いた。
「楽しいです」
あなたが楽しそうで。
パレードはいよいよ盛り上がり、あなたはますます夢中でそれを見つめる。
煌めく瞳に、赤い頬。笑う顔は、無邪気な子どもそのものだ。
なんて、なんて愛おしい。
こんな時間がずっと続けば良い。
あなたが子どもみたいにはしゃげる時間。安心していられる時間。
そう在るように、守っていこう。
自然と湧いた誓いを固めるよう、私はそっと自分の胸に手を置いた。
END.




