輪廻の向こうで手を繋ぐ(百合。持ち主と人形と)
一つ前のお話の女の子視点。
……良い時代になったって思うのよ。
結婚だって自由だし、誰としても良いし、誰ともしなくて良い。
女でも好きな仕事に就けるし、一人で暮らせるの。
一人暮らしは、最高よ。自分の好きなものばかりに囲まれて。
ぬいぐるみに、観葉植物に、絵本たち。
私を待つのは、そんな心優しいお友だちたち。
……でも、ここにアナタが居ればなあって何度も思ったの。
夢で出逢ったアナタ。ずっと前にずーっといっしょだったアナタ。
私の、たったひとりの伴侶。ベターハーフ。
ずっとずっと探していた。
夢物語だと馬鹿にされるから、誰にも言わないで。
でも、絶対何処かに居ると信じていた。
私を待ってくれていると、ずっとずっと信じていた。
「だからあのお店でアナタを見付けたとき。私は初めて『あの両親』に感謝したの」
久方ぶりにアナタを抱っこしながら私は言った。
もう、あの頃みたいな赤毛も、褒めてくれた美しいエメラルドグリーンの瞳も持っていないけれど。
「……やっと逢えた」
私の伴侶。私の本当のベターハーフ。
「もう二度と、離さないからね」
もう離れない。離さない。
私たちは、ずっと一緒。
「ジェニー。私の、可愛いお嫁さん」
いつまでもいつまでも、私たち、ずっと一緒に居ましょう。
輪廻を越えて、私たち今ここでやっと手を取り合えるのよ。
ジェニーが、困ったように、けれど嬉しそうに笑った気がした。
END.




