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結局ふたりとも可愛い(同棲百合。真面目×自由人)

 二人で動画を見ているときのこと。

「あ、またこのゲーム広告」

「これ、最近よく見ますよね」

 画面では、白いワンピースを着た女の子が、こちらを振り返りながら微笑んでいる。

 ひらめくスカートの裾と、風になびく髪のバランスが美しいイラストだ。

「こういうゲームとか漫画でさ、もしかしたらドラマもかな? よく女の子が白いワンピース着てるじゃない? 男性向けでも女性向けでも」

「そうですね。確かに、白ワンピ率は高いような気がします」

「やっぱり、どちらともに憧れとかがあるからかな」

 着たいとか。着て欲しいとか。

「そうですねぇ。私自身は、あんまり着たいとは思いませんけども」

 グラス片手に、馨くんが小首を傾げる。うん。本当にピンと来てない顔だ。

「じゃあ、私に着て欲しい?」

 その顔を覗き込むようにして尋ねた。

 ちなみに、私自身に着たい欲はそんなに無い。馨くんが「着て欲しいです!」と言ったら着るかも知れないなあ、くらい。

「そうですね……」

 グラスを置き、馨くんがじっとこちらを見た。怖いくらいの真顔で、私は思わず息を呑む。

「まず、ミイさんに白いワンピースは似合うと思います。柔らかな綿素材のものがいいでしょうか。風に靡くような……ああ、きっと可憐です。しかし、ミイさんはよく動き回られますし……あまり服に気を遣いたくないでしょう? すると、やはり白はベストでは無い……。それに、ミイさんの活発に動き回るイメージに合うのは、白よりも黄色な気がするんですよ。黄色のワンピース、元気な妖精さんって感じでいいと思います。でも、ひらひらした裾が気になって自由な動きの妨げになってはいけないとも思うので、ここはチュニックにして、下にいつものボトムスを合わせるのが良いのかなと。個人的にはホットパンツも悪くないと思います。あとは」

「あーうん。わかった。ありがとう。もう大丈夫」

 真剣な眼差し、真剣な口調で、想定外の回答だった。

 そして淀みなく喋っているから気付きにくいけど、けっこうな情報量。

 着て欲しい・欲しくないの話題で、まさか私に似合う服装へ議論がシフトするとは思わなかった。

「つまり馨くんは、私が私の動きを妨げないかつ私に似合う服を着ているのが一番ってことで合ってる?」

「はい! ミイさんの着心地が一番大事ですし、何よりお気に入りを身に着けているときのミイさんの愛らしさたるや筆舌に尽くしがたいものがあります」

 きらきらした瞳で頬を染め、そんなことを真っ直ぐに言う馨くん。

 まったく。

「……そういうところ」

「え? 何ですか?」

「ううん。好きだなって思ったの」

「! ミイさん!」

 嬉しい! と顔いっぱいに広がる笑顔が語っている。

 うん。

 馨くんのその顔の方が、『筆舌に尽くしがたい愛らしさ』だと思うけど。

 そんな愛らしい頬にキスを贈って、お返しを待つ。


 END.


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