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彼女のそのときの声は(百合。幼馴染同士。女子高生)

こちらの二人(https://ncode.syosetu.com/n9047lt/68/)

 朝子の手が伸びて来て、私を抱き締めた。

 どうしたの、と言いたいのに、言葉が出ない。

 時計の針の音が、大きく響いている。私が彼女に贈った目覚まし時計だ。

 恐る恐る、彼女の背に腕を回した。ぎゅ、と抱き締め返せば、朝子がほっと息を吐くのがわかる。

 温かい。柔らかい。……ドキドキするのに、不思議と落ち着く。

「朝子……?」

「嫌か?」

「嫌じゃないよ。……私たち、その、恋人同士、なんだし」

 私の言葉に、そうか、と朝子が微かに笑った。

 ……これは、喜んでいる時の声。そう聞こえづらいけど、そうなのだ。

 そのことが私も嬉しくて。

「あの、……落ち着く、し、好き、だよ」

 勇気を振り絞って、そう言った。小さくて、掠れた情けない声だったけど。

 もう一度「そうか」と呟いた彼女の声は、やっぱり嬉しそうなのだった。


 END.




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