078 僕達の夕食会⑪ 〜ツヤキラ フルーツのカクテル〜
お久しぶりです。すっかりご無沙汰してしまいました。
あまりに間が空いてしまったので、簡単にですが、おさらいをば。
あ。諸事情により、068話以降のサブタイトルを変更しております。
☆ これまでの、あらすじ
僕達の夕食会①〜 世界観・設定の説明回。またの名を『伏線地雷原』。
☆ 夕食会の会場にいる人物
(注意:真実かどうかあやふやな、やや誇張された表現なども含みます)
(作中の主要国の成人年齢は15歳で、飲酒も結婚も解禁となります)
【ローレル・フォレスト(11)】
034話〜『ローレルの視点から』編の主人公・語り手。
フォレスト王国の第二王子。フード・ファイター覚醒なるか!?
【リンデン・フォレスト(13)】
フォレスト王国の第一王子。ローレルの同腹の兄。
空色の髪にライムグリーンの瞳を持つ、エルフ系の(ザンネンで)ふつくしい少年。
「寝てない、寝てないよ」
【グラス・ブレナン(31)】
ローレルの専属従者。フォレスト王家の諜報組織・“影”の副頭。妻子持ちだが、普段は単身赴任の状態で離れて暮らしている。
生まれは平民で、【鑑定】のスキルを持っていたために取り立てられた。
やや世間ズレした、天然疑惑のある男。オカン度の高まりを感じる……。
【パイン・ファーガス(24)】
リンデンの専属従者。“影”の構成員。頭領の息子。
ハニートラップの対応要員で、自称・ホスト系チャラ男。かつてローレルが『恋のカタチ』を探している時期に出会って、何度か話をしていた。面倒見が良い。
リンデンのことを「ご主人サマ」と呼ぶことがある。
【パンジー・マッケイ(25)】
王宮の料理人。“影”の構成員。侍従長、兼、“影”の副頭を務める男を父に持つ。
(補足:“影”の副頭は三人以上います)
「えー」とか「もー」とか、語尾を伸ばして喋る。人当たりのいい姐さん。
【セドロ・マッケイ(15)】
国立シード学園で、王宮の料理人になるために学んでいる学生。成人して、“影”の構成員になってまだ日が浅い。パンジーの実の弟。
喋りや態度は初々しいが、いざ包丁を握ると人が変わる。料理に関しては天賦の才を持つ。
【バーチ・マクローリン(19)】
マクローリン公爵家の嫡男。外務大臣を父に持ち、自身も外交員。国に忠誠を誓っている。妹想い・家族想い・友人想い・組織想いの男。
特殊なスキルに目覚めた部下を、護衛として連れている。これは所在がはっきりしていないと、泣くメンバーがいるから。組織の健全化のために引き受けた。
笑いかたは「ククク……」。
【オーキッド・マクローリン(9)】
マクローリン公爵家の令嬢。バーチの妹。フォレスト王国の皇太子・アコナイト、彼の婚約者・ローズと同じ年の生まれ。
この年齢にしては完成形に近い、腹芸もこなせる貴族らしい淑女。
アコナイトと取り巻き連中の、天敵。また、リンデンへのツッコミ要員。
【ウルガリス(24)】
マクローリン公爵家の直属の諜報組織・“隊”の一員。日頃は、バーチの護衛の任に就いている。
南大陸の出身。故郷は砂漠の中のオアシスの国のスラム。銀髪に褐色の肌。『風属性魔法』の使い手。
恐らくはユニークの【退廃系味覚】【舌への暴虐】という、味覚を持って生まれたことを後悔したくなるような、特殊なスキルを持つ。
自身の料理のせいで喉が嗄れ気味の、ハスキーボイスな男。
【リナロール(19)】
マクローリン公爵家の侍女。“隊”の一員。ウルガリスの妹。
この夕食会ではたまたまオーキッドのそばにいるが、普段はフォローのため兄のウルガリスと活動を共にしている。
兄のスキルが特殊過ぎるせいで、婚期を逃す可能性のあるヒト。不憫属性。
【シペラス・シルヴェスター(53)】
シルヴェスター公爵家の当主。フォレスト王国の現・宰相(もうすぐ宰相位は退く)。
立て続けに家族が不幸に見舞われるも、気丈に振舞う。心労のせいで、今現在は実年齢よりも年上に見える。ローレルにとっては、物知りのおじいちゃん。
名前のシペラスは、パピルスのこと。
【スコー(58)】
シルヴェスター公爵家の男性使用人。王都の屋敷の執事と、シペラスの従者を兼ねる。夕食会では酒類の管理をしている、ソムリエ役。
(登場回数が多くなってしまったので、ちゃんと名前を考えて決めたのだが。本編中に出てくるかは未知数なヒト。年齢はなんとなく)
★★★
「食べますかな?」
地図の代わりとして教材の役割を果たし終えた桃の皿を示して、ニコニコ顔のシルヴェスター公爵が僕に問うてきた。
一定のリズムでクレープを焼き上げていくパンジーと、残りの桃の皮をむいて実を切り分けていくセドロを見つめていた僕は、その言葉にコクコクと頷いて応える。気になってたんだよね、どんな味なのかなって。
すぐにグラスの手によって、公爵の前に置かれていた皿が僕のほうに移される。おネムな兄上を除く皆の注目を感じながら、僕は適度な大きさにカットされていた桃をパクっと口に……。ん゛〜〜!? すっっぱー!! 桃の果肉が茶色くなってしまうのを防ぐようにかけられた、黄色の果汁がとにかくすっぱい! 僕が「ううっ、のみこむのにも勇気がいるな」と思いつつ、半泣きになりながら口の中で実を転がしていると……。
「あ……、あれ? 甘っ! すっごい甘い。種のまわりが特に甘味が強いや。んー、ゴリゴリとまでは言わないけど、桃にしては固い。歯ごたえがあって、今までに食べたことのない桃でおもしろいかも」
一口目をゴクンとのみ下してから、僕が感想を漏らすと。丸ナシの皮をむいていたセドロが、手を止めてナイフを置いた。そして、手を軽くフキンで拭ってから、たくさんの種類がある果物の山を動かし始める。お目当ての物はすぐに見つかったようだ。おしりのほうがずんぐりとして、縦に伸びた長ナシを手に取った彼が口を開く。
「厨房のスタッフ皆で試食を行った時にも、同じ様な感想が上がっていました。味は確かに桃なのですが、食感は長ナシに似ていますよね。実がしっかりと詰まっていて、ややネットリとしているところを含めて。追熟を必要としている点なども長ナシのようです」
セドロは下ごしらえの作業を再開しつつ、更に詳しく説明をしてくれた。追熟とは、木からもぎ取った果物をしばらく置いておいて、後から完熟させることらしい。果汁が多くてシャキシャキとした歯ごたえがおいしい丸ナシは、あまり日持ちがせずに、早めに食べないと味や食感がボケるので追熟は不要。同じ「ナシ」の名前がついていても、長ナシとは違うんだね。
地図のような桃も色づいたら収穫をするんだけど、もぎたての味は正直びみょうみたい。さっき食べた僕がビックリしたポイントである、種のまわりの甘さが徐々にほどけていって、とっても理想的な桃の実となるようなのだ。
「生産したカーティス公爵領の農民の話では、『テーブルの上に、半月は飾っておけるように品種改良した』そうなんですけど。それはそれで、生で食べる場合の見極めが難しそうなんですよねー。提供する側として失敗を避けるのならば、早めにコンポートやジャムにしたほうが無難かなーって意見が出てます。現地でも、取り扱いにやや難儀しているようでして。『見た目が良い果実のみを王宮や貴族向けに出荷して、残りはまとめて酒にでもしちまうかー』とか、テキトーなことを言って笑ってるみたいなんですよー。将来的には、加工用品種ってところに落ち着くかもしれません」
……。補足してくれたパンジーの言葉に、僕は思う。なんでそんな後先考えずに、本人達も扱いかねる作物づくりに突っ走っちゃったんだよ、カーティスの農民達は。あれか? ブランド化とか他との差別化とかを領主であるカーティス公爵自身が推奨しているって、ホーリーがいつだったか言っていたけど。トップがその調子だから、止めたりツッコんだりする存在がいないとかかな?
僕は残りの桃を順に口に入れて、モゴモゴしながら考える。今の完熟しきっていない状態でも、悪くはない。「そこそこの味」って感じだけど。でもどうせなら、もっとおいしくなった『地図桃(仮称)』を食べてみたいよなーって思う。だけどだけど。お酒にされてしまうと、僕はまだ楽しめないよ。なにかいい手はないかな? うーん……。
「干したらどうかな? 今日の午前中に、パインにすすめられたドライフルーツや砂糖漬けは、どれもみんなおいしかったし。ああ、そうだ。前にホーリーに聞いたんだけど。カーティス公爵領の農村から農村を結ぶ駅馬車。それの車内で買えるようにしてもいんじゃないかな」
フォレスト王国内は他国と比べても街道が整備され、駅馬車の路線が行き渡っていて運行も安定していると授業で学んだよ。なかでもカーティス公爵領内では、村ごとにオリジナルの具を挟んだパン――通称『エキベン』を売り出しているって、ホーリーが言っていた。ただ村から村への距離は同じじゃないから、とってもお腹が空いてしまう区間があるんだってさ。そういった路線で、御者さんが売り出せばいいんじゃないかな。ドライフルーツならとりあえずの空腹がまぎれるし、保存もきく上にそこまでかさばらないでしょ。
僕が、そんな思いつきを考え考えしながら口にすると。シルヴェスター公爵やマクローリン公爵家の兄妹から、「おやおや」「ほう……」「あら」と声が漏れ聞こえてきた。
「なかなかいいアイディアですな。それは是非、ローレル王子の口からカーティスの嫡男へと伝えるべきです」
「ホーリーに? 僕から?」
「そのほうが宜しいでしょう。ローレル王子の発案となれば無下にされないでしょうし、売り上げも良いものになりそうだ。第二王子の名を使われることになるかもしれませんが、ある程度の恩を売って、アザレア様・リンデン王子・ローレル王子の後ろ楯として、カーティス公爵家に今後も支えてもらえば良いのです」
バーチの言葉に頷くシルヴェスター公爵やオーキッド嬢を目にして、そんなものかと僕も納得する。うん。ホーリーにカーティス公爵領のことや農作物について、もっと色々と聞きたいし。ちょうど良いかもね。
地図の代わりとなった桃を食べ終えた僕は、空になった皿を下げるグラスを見ながら、そんなふうに考えたのだった。
★★★
セドロの手によって次々にカッティングされていく、たくさんの種類のフルーツ。その中の半分ほどは、デザートスプーン一杯で二〜三粒すくえそうなサイズの立方体に切りそろえられていた。
透明度が高く装飾の美しいガラスの器にランダムに入れられると、表面にツヤ出しのシロップがハケで塗られていく。ところどころに混ざっている、小粒のジュエルベリーがキラキラと光を反射しているし。全体もカラフルで、とってもキレイ!
果物の飾り切りを終えたセドロは、【生活魔法】で手を洗浄すると、ワゴンの下段から次々と物を取り出していく。また、まるでタイミングを合わせたかのように、必要枚数のクレープを焼き上げたらしいパンジーが、フライパンやコンロなどをワゴンの下段に片付け始める。
次の段階に進んでいくデザート作りに、「今度はなにを始めるんだろう」とワクワクしながら見つめていた僕。セドロはその視線に気が付いたようで、穏やかに微笑むとデザートの内容について簡単に説明をしてくれた。
乾燥を防ぐため、一度水で濡らして固く絞った布で包んでいるのは、薄めに焼いた円形のスポンジケーキ。また薄黄色の手袋と同じ素材シートで蓋をしたボールには、泡立て済みの生クリームや、チーズ風味のクリームが入っているってさ。
ここから、シロップを塗ってしっとりとさせたスポンジ生地に、クリームやソースを挟み半分に折り畳んでオムレットに。ただし、そのままでは乾いておいしくなくなってしまうから、カスタードクリームを塗ったクレープで外側をくるりと覆ってしまうんだって。うあー、なんだそれ。片っぽだけでも絶対においしいに違いないのに、両方いっぺんに食べられるの? それはなんてゴージャスなんだろうか!
期待に弾む胸を軽くおさえつつ『火のマッケイ』姉弟の手仕事を見つめていると、シルヴェスター公爵が僕の顔を覗きこんでくる。
「ローレル王子は、食べることがとってもお好きのようだ。そんな貴方様に、是非ともお勧めしたいことがございます」
「おすすめしたいこと?」
公爵が口にした「お勧め」の言葉に、食材かな? 料理かな? と考えながら、僕はオウム返しに問い返す。
シルヴェスター公爵は目を細めて「左様」と返事をすると、ニコニコ顔で説明をし始めた。それは食材や料理ではなくて、僕はちょびっとだけガッカリとしたけれど。話を聞いていくうちに、だんだんと思い直していくことになる。だってなんだか、ハラハラわくわくとしていて、うっかりなんか楽しそう?
★★★
四月から兄上が通うことになる国立シード学園には、長期休暇中に希望者のみが参加する『農業体験実習』なるものがあるそうだ。これは平たく言うと、
「半月〜一ヶ月の間。カーティス公爵領内の農村で実際に農作業を行いつつ、フォレスト王国の根幹である食糧の生産や加工、取引や輸出について学びましょう」
てなことらしい。
体験実習だから農民の手伝いなどの労働はもちろん、学園に提出するレポートの執筆なんかがあって、ちょっとメンドウに思えなくもない。だけど、その労力以上の良いことがあるんだって。
朝日が昇る直前に収穫した野菜や果物の味は、それはもうカクベツだって話だよ。しかも、農村の民に気に入られた場合は……ほぼ食べ放題! いいなぁ〜、それはぜひとも、僕も行ってみたい。
実習の場所が、カーティス公爵領で限定なのは。我が国最大の穀倉地帯であり、農業・牧畜業・加工業などが盛んなことがまず挙げられる。
また貴族の子弟や、場合によっては王族が滞在するということで。あらかじめ候補地の警備を厚く手配しても、揺るぎない経済力があるから。すでに受け入れマニュアルも確立しているし、該当の村の村長宅の離れや宿屋なんかは、それ相応に豪華な造りになっているんだって。
更に言えば。参加者の中には、貴族らしいワガママで横暴に振舞う生徒がどうしても含まれてしまうものだが。実際にはカーティス公爵家を敵にまわしてまで、そんなことをするバカはいない。
領地を持つ貴族家の子だったら、仲良くなって自領に生産職の技術者を招いたりとか。実家が商会を経営している子だったら、仕入れの際の【目利き】スキルの向上や、商談に有利となるような関係を築くためにも、友好的に接したほうがいいだろうしね。
抑止力としても家同士のパワーバランスを考えた場合においても、カーティス公爵領が最適というわけだ。
★
今からさかのぼることウン十年前。若かりし頃のシルヴェスター公爵も、もちろん参加したそうなのだ。
それは、東隣の国の内部が荒れて難民が問題になっていた時期で、彼らを小作人として受け入れていた村の、視察を兼ねてのことだったらしい。
ちなみに。ウン十年前に荒れていたと言った、東隣の地域なのだか。フォレスト王国の建国前から今もずっと、荒ぶり続けてほとんど落ち着いたことのない土地なのだって。
大陸中央――今のアドベント神聖国へは、大陸を守護する『白の精霊』を神聖視する人々が寄り集まるように。
東隣の土地には、誰かを蹴落としてでも人の上に立って悦に入りたい、他者から搾取して自分だけは肥え太りたいというような、欲望を丸出しにした者達が熱に浮かされたかのように足を踏み入れて、喰うか喰われるかの争いを互いに繰り広げているのだという。
敗者や、勝者と敗者を含めた子孫達の中で闘う力を持たない者・闘うことを好まない者は、国で最底辺の農奴として扱われ、難民として亡命でもしない限りは、使い潰されて短い生涯を終える他はないらしい。
授業で、東隣の国について学んだ時。中央大陸を守護する『白の精霊』様が、彼の地について評したと伝わる言葉を聞いた。
――常に、『世紀末ヒャッハー』。
……、……、……。なんだろう? 『世紀末ヒャッハー』って。兄上に質問してみたところ。だいぶ長いこと考えこんでから首を傾げつつ、こう答えてくれた。
「……それらしい情景は、スキルによって頭の中に引き出せたけれど。私は、これらを上手く説明できる言葉を持たない」
フォレスト王国の東隣の地域も大陸中央の土地も、似たような性質のヒトが集まるのは、その土地に染みついた記憶が呪いのように変質したせいだという説がある。
我が国のように、瘴気の浄化を定期的に行うなど『白の精霊殿』や『神殿』を手厚く祀るようにすれば、徐々にその土地や暮らす者達の性質も変わっていくって話だけどね。
両地域の為政者達は頑なまでに儀式を行おうとはせずに、変わることを拒んでいるのだ。
★
周辺国のしわ寄せで割を食うことの多いフォレスト王国の宰相は、ワインで唇を湿らせてから、改めて口を開く。
「大多数の難民は、食うや食わずやの有り様で我がフォレスト王国へ辿り着き、受け入れ先の村で日々の糧と引き替えに、コツコツと農作業に従事しておりましたよ。ただ、全員が全員そうではなかった。難民を装って入国し、行商人や食糧倉庫を襲撃しては盗みを働く。野盗や国家的窃盗団の類があちこちで事件を起こし、深刻な社会問題となっていたのです」
十代の頃を懐かしむように、穏やかなニコニコ顔で語り出したシルヴェスター公爵だったが。難民問題の負の側面に話題が移ると、珍しく苦み走った表情を浮かべた。
宰相を務める父を持ち、フォレスト王国でも屈指の名門として知られるシルヴェスター公爵家の嫡男の存在は、国家的窃盗団の連中にとってさぞやオイシク見えたことだろう。身代金を目的に誘拐をするべく、『農業体験実習』で滞在していた村に夜襲をかけられたのだそうだ。
もちろん。シルヴェスター公爵家から護衛を連れて行ったし、カーティス公爵家から派遣された兵や、村の青年達によって組織された自警団の面々もいたそうなのだが。村を守る戦闘員の倍以上の数の賊に周辺が包囲され、最悪を覚悟しなければならないほどに追い詰められたのだという。
「お世話になっていた村長宅の三才の息子が、こちらに泣いてしがみついてくるのを宥めつつ、私も内心では震え上がっておりました。その時です。村の境界付近から『奴ら! 倉庫の扉を壊して、畑に蒔く用の種を持ち出し始めやがったぞ!』との声が。するとどうでしょう。つい先程まで涙を流し悲嘆に暮れていたか弱き村人達が一斉に、それこそ人が変わったかのように、手に手に武器を取って窃盗団を襲い始めたのです。村人達のあまりの変貌ぶりに呆気にとられていた私ですが、ふと我に返り、三才の男の子がいつの間にか居なくなっていたことに肝を潰しました。慌てて辺りを探しだした私が目にしたのは、子供の上半身ほどの大きさの草刈鎌を両手で握りしめ、人を人とも思わぬような瞳を集落の外へと向けるその姿。幼子はまるで呪詛のように、低く静かに呟いておりましたな。――『ぞく(賊)という がいじゅう(害獣)どもは、ひとかけらも のこさず、ひりょう(肥料)にしてヤる』と」
読んで下さって、ありがとうございます。
★
プチ用語解説
丸ナシ……和梨。
長ナシ……洋梨。
フォレスト王国から見たら和も洋もないので、苦肉の策。
エキベン……駅弁
★
久しぶりなので、感覚のズレを感じる今日この頃。
『僕達の夕食会①〜』は、会のお開きまでの初稿は書き上げているので、2019年1月中に順次更新していく予定。
誤字・脱字の報告システムに関しては、筆者がフューチャーフォンで小説を発表しているうちは利用はしません。
皆様、良いお年を!




