表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
98/150

三人で公園


休日の午後。


青空が広がり、春の風が心地よく吹いていた。



「海くん!」



海人の家の前。


茉白が手を振る。



「おう」



「公園行こ!」



「いいけど」



その時だった。



「にぃちゃ!」



トコトコと海里が玄関から出てくる。



海人の足にぎゅっと抱きついた。



「……なんだよ」



「いく!」



「え?」



茉白がしゃがみ込む。



「海里も行きたいの?」



「うん!」



元気いっぱいにうなずく。



海人は少しため息をつく。



「母さーん」



「海里も公園行きたいって」



家の中から母が顔を出す。



「じゃあお願いしてもいい?」



「……はいはい」



ぶっきらぼうに返事をする。



三人で公園へ向かった。



公園に着くと、


海里は嬉しそうに走り出す。



「にぃちゃー!」



「転ぶなよ」



海人が後ろを歩く。



「海里、こっち!」



茉白がしゃがみ込み、


シャボン玉を吹く。



ふわり。



透明なシャボン玉が空へ浮かぶ。



「わあ!」



海里は目を輝かせ、


一生懸命追いかける。



「まてー!」



ぱちん。



割れた。



「あっ!」



悔しそうな顔。



茉白は笑いながら、


もう一度シャボン玉を飛ばす。



「ほら、いっぱい!」



「わぁー!」



海里は夢中になって走る。



その様子を、


海人はベンチに座って見ていた。



(楽しそうだな)



思わず少し笑う。



その時。



海里が小さな石につまずいた。



「あっ!」



ぐらり。



「海里!」



「海里!」



海人と茉白が、


同時に駆け出す。



海里は転ぶ寸前で、


二人に支えられた。



「だいじょうぶ?」



茉白が優しく聞く。



海里は少し驚いた顔をしたあと、


にこっと笑った。



「へーき!」



「気をつけろよ」



海人が頭を軽くなでる。



「えへへ」



海里は嬉しそうだった。



少し休憩することになり、


三人でベンチに座る。



海里はジュースを飲みながら、


足をぶらぶらさせている。



「海里、元気だね」



「毎日こんな感じ」



「海くん大変そう」



「……まあな」



そう言いながらも、


どこか嬉しそうだった。



「にぃちゃ」



海里が海人の袖を引っ張る。



「ん?」



「すき!」



突然の一言。



「……そうかよ」



照れくさそうに頭をかく。



その様子を見て、


茉白はくすっと笑う。



「海くん、やっぱり優しいお兄ちゃんだね」



「……うるせぇ」



また照れる海人。



帰る時間。



「また公園来ようね!」



茉白が言う。



「うん!」



海里は元気よく手を挙げる。



「……暇だったらな」



海人はぶっきらぼうに答えた。



でも、


三人で歩く帰り道は、


いつもより少しだけにぎやかだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ