表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
85/150

春休みの秘密基地


修了式が終わり、


春休みが始まった。



ぽかぽかと暖かい午後。


海人は約束どおり、秘密基地へ向かっていた。



「海くん!」



先に来ていた茉白が、大きく手を振る。



「待った?」



「ううん!」



二人は笑い合いながら、いつもの場所へ入っていく。



「久しぶりだね」



「雪がなくなってる」



冬の間とは違い、


地面には小さな草が顔を出していた。



「春だな」



海人は空を見上げる。



木々の枝にも新しい葉が芽吹き始めていた。



「ここも少し変わったね」



茉白が辺りを見回す。



「でも」



「秘密基地は秘密基地だよ」



海人が笑う。



「だな」



二人は切り株に並んで座った。



しばらく風の音だけが聞こえる。



「もう三年生だね」



茉白がぽつりと話す。



「うん」



「また同じクラスになれるかな」



海人は少し考える。



「なれるだろ」



「なれなかったら?」



その質問に、


海人は少しだけ笑った。



「そしたら休み時間に会えばいい」



「帰りも一緒に帰ればいい」



「秘密基地にも来ればいい」



「だから大丈夫」



茉白は安心したように笑った。



「そうだね」



「海くんらしい」



海人は照れくさそうに頭をかく。



「それに」



「約束しただろ」



「毎年来るって」



茉白はうれしそうにうなずく。



「うん」



「約束した」



風が吹く。



桜の花びらが一枚、


秘密基地まで舞い込んできた。



茉白はその花びらをそっと手に取る。



「きれい」



「三年生も」



海人が静かに言う。



「いっぱい思い出作ろうな」



茉白は笑顔で答えた。



「うん!」



二人は顔を見合わせて笑う。



春の風はやさしく吹き抜け、


秘密基地には二人の笑い声が響いていた。



こうして春休みは過ぎ、


海人と茉白は、新しい学年へ歩き始める。


二人はまだ知らない。


これから始まる三年生が、


二人の運命を大きく変える一年になることを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ