雪だるまの約束
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冬休み。
朝から雪が降っていた。
町は真っ白な景色に包まれている。
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「海くーん!」
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公園に着くと、茉白が手を振っていた。
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「待った?」
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「今来た!」
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二人は顔を見合わせて笑う。
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「今日は雪いっぱいだね」
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「雪だるま作ろうぜ!」
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「うん!」
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二人は雪を集め始める。
小さな雪玉を転がして、
少しずつ大きくしていく。
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「重い!」
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「貸して」
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海人が押すと、
雪玉はどんどん大きくなった。
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「すごい!」
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茉白も嬉しそうに笑う。
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しばらくして、
大きな雪だるまが完成した。
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「目はどんぐり!」
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「鼻は枝!」
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「マフラーもつけよう!」
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二人で協力して、
世界に一つだけの雪だるまができあがる。
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「かわいい!」
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茉白は雪だるまを見て笑った。
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海人も満足そうにうなずく。
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「来年も作ろうな」
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その一言に、
茉白は少し驚く。
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「来年も?」
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「うん」
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「また一緒に」
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海人は照れくさそうに笑う。
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茉白も笑顔でうなずいた。
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「約束」
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「約束」
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二人は笑い合う。
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その時。
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「わっ!」
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茉白が雪で滑りそうになる。
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海人は反射的に手を伸ばした。
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ぎゅっ。
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茉白の手をつかむ。
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「危ない!」
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一瞬だけ、
二人の目が合う。
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「……ありがとう」
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「ちゃんと前見ろよ」
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海人は少し照れながら手を離す。
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茉白も少し照れ笑いを浮かべた。
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「また助けてもらっちゃった」
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「たまたまだ」
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「ふふっ」
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雪は静かに降り続ける。
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帰る前、
二人は雪だるまを振り返った。
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「溶けちゃうね」
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茉白が少し寂しそうにつぶやく。
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海人は雪だるまを見つめたあと、
笑って言った。
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「また作ればいい」
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「来年も、その次の年も」
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茉白はその言葉を聞いて、
嬉しそうに笑う。
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「うん!」
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雪だるまはいつか溶けてしまう。
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でも、
その日に交わした約束は、
二人の心の中で、
ずっと消えずに残り続けるのだった。




