クリスマスの約束
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12月。
町にはイルミネーションが飾られ始めていた。
学校でも、教室の後ろに小さなクリスマスツリーが飾られている。
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休み時間。
子どもたちは楽しそうに話していた。
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「サンタさんに何お願いする?」
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「あたし、新しいぬいぐるみ!」
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「俺はゲーム!」
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教室はクリスマスの話題でいっぱいだった。
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海人は机に座って、その話を聞いていた。
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「海くん」
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茉白が隣へやって来る。
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「海くんは何お願いするの?」
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「んー……」
海人は少し考える。
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「サッカーボールかな」
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「海くんらしいね」
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「茉白は?」
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「わたし?」
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茉白も少し考えて笑った。
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「秘密」
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「なんだよ、それ」
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「クリスマスまで内緒」
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海人は少しだけ口を尖らせる。
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「ずるい」
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「ふふっ」
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茉白は楽しそうに笑った。
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放課後。
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二人はいつもの帰り道を歩く。
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途中、小さな公園の前を通ると、大きなクリスマスツリーが飾られていた。
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「きれい」
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茉白は立ち止まる。
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色とりどりの飾りが夕暮れの中で輝いていた。
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「夜になると光るのかな」
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「たぶん」
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しばらく二人で見上げる。
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「海くん」
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「ん?」
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「クリスマスが終わっても、また一緒に遊ぼうね」
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海人は少し驚いたあと、
すぐに笑った。
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「もちろん」
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「約束?」
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茉白が小指を差し出す。
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海人も笑いながら小指を重ねた。
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「約束」
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二人は指切りをする。
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「プレゼントよりさ」
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海人が少し照れながら言う。
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「また遊べる方が楽しみ」
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茉白は少し目を丸くして、
やわらかく笑った。
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「わたしも」
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冬の風は冷たい。
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それでも、
二人の笑顔はとても温かかった。
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クリスマスの日。
サンタさんは見えなかったけれど、
二人は「また一緒に遊ぼう」という、
世界で一番うれしい約束を手にしていた。




