表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
75/150

初雪


冬。


朝、カーテンを開けると、町はうっすら白く染まっていた。



「雪だ!」



海人は急いで支度をして家を飛び出す。



学校へ着くと、校庭は子どもたちでいっぱいだった。



「雪合戦しよう!」


「雪だるま作ろう!」



あちこちで楽しそうな声が響く。



海人も校庭へ走り出そうとした、その時。



「海くん」



振り向く。



茉白だった。


マフラーに顔をうずめながら、小さく笑っている。



「おはよう」



「おはよう!」



二人は並んで校庭へ向かった。



「雪、積もったね」



「こんなに降ると思わなかった」



海人は雪を丸める。



「ほら」



小さな雪玉を作って茉白へ見せる。



「かわいい」



茉白も雪を丸め始めた。



しばらくすると、


二人は小さな雪だるまを作り始める。



「目はこれ」



どんぐりを置く。



「口は葉っぱかな」



「いいな、それ」



少しずつ形になっていく雪だるま。



「できた!」



二人は顔を見合わせて笑う。



その時。



「きゃっ!」



茉白が足を滑らせる。



雪の上でバランスを崩いた。



「茉白!」



海人はとっさに腕をつかむ。



転ぶ寸前で支えられた。



「……大丈夫か?」



「う、うん」



少しだけ距離が近い。



お互いに気づいて、


同時に離れる。



「ありがとう」



「気をつけろよ」



海人は少し照れながら笑う。



授業が終わり、


帰る時間。



外はまだ冷えていた。



「寒い?」



海人が聞く。



「ちょっとだけ」



茉白は手を息で温める。



海人は少し考えて、


自分の手袋を片方だけ外した。



「ほら」



「え?」



「右だけ貸す」



茉白は目を丸くする。



「海くんは?」



「左あるし」



少し照れたように笑う。



「……ありがとう」



茉白は大切そうに手袋をはめた。



少し大きくて、


ぶかぶかだった。



「大きい」



「そりゃ俺のだからな」



二人は笑いながら帰り道を歩く。



冷たい冬の日。



でも、


二人の間だけは、


少しだけ温かかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ