秋の遠足
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秋。
空は高く澄み渡り、涼しい風が吹いていた。
今日はみんなが楽しみにしていた遠足の日。
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「おはよう!」
「おはよー!」
教室は朝からにぎやかだった。
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先生がくじを持って前に立つ。
「今日は班を発表します」
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子どもたちがざわつく。
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「海人!」
先生が名前を読む。
「はい!」
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「茉白」
「はい!」
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二人は同じ班だった。
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「やった!」
茉白が思わず笑う。
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海人も少し照れながら笑った。
「よろしくな」
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バスに乗り、
遠足が始まる。
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目的地は大きな自然公園。
どんぐりや落ち葉がたくさん落ちていた。
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「班ごとに歩いてください」
先生の声で出発する。
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「見て!」
茉白が大きなどんぐりを見つける。
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「でけぇ!」
海人もしゃがみ込む。
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二人で笑いながら拾っていると、
前を歩いていた班の子が振り返った。
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「早くー!」
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「あ、ごめん!」
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慌てて追いかける。
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お昼。
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みんなでお弁当を広げる。
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「いただきます!」
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「海くん、それ美味しそう」
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「そっちも」
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おかずを見せ合って笑う。
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その様子を見ていた友達が、
にやっと笑った。
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「二人って、本当に仲いいよね」
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「また言ってる」
海人が苦笑する。
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茉白も少し照れ笑い。
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「仲いいのはいいことじゃん!」
別の子が笑う。
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「まぁ……そうだけど」
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海人は頭をかきながら答えた。
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午後。
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先生が言う。
「落ち葉を集めて作品を作りましょう」
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班のみんなで落ち葉を集める。
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「海くん!」
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「この葉っぱ、きれい!」
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真っ赤なもみじを見せる茉白。
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「ほんとだ」
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海人はその葉っぱを受け取り、
そっと茉白の帽子に乗せた。
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「似合う」
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「え?」
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茉白は少し驚いて帽子を触る。
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「ほんとだ!」
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嬉しそうに笑う。
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その笑顔を見て、
海人も自然と笑っていた。
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帰りのバス。
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たくさん遊んだ子どもたちは、
みんな眠そうだった。
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茉白も窓を見ながら、
少しずつ目を閉じていく。
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コトン。
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バスが揺れた拍子に、
茉白の頭が海人の肩へ軽くもたれた。
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「……!」
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海人は一瞬固まる。
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起こさないように、
そっとそのままにしておく。
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窓の外を見ながら、
小さく笑った。
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(今日は楽しかったな)
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夕日がバスの中を優しく照らしていた。
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遠足は終わった。
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でも、
二人にとっては、
また一つ忘れられない思い出が増えた一日だった。




