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後悔しているから、僕は全部殺す。  作者: 鬼羅
1日目、遊戯開戦。
9/39

笑う蠍に、食う大蛇。


……っと、だんだん慣れてきたな……。

アイツ、しつこい割りに単純だ……俺と同じ、馬鹿だな。

「はぁーっはっはっは! だが勝筋は見えたぜっ!」

ふっふっふっふっふ……あの飛行機の命も後数びょ……?


「……おいおいおいおいおいっ!」

あ、あの飛行機……っ!

「ああ、クソ! そっちに行くかよ!」

さて、どうする……あのお嬢ちゃんは、俺より遅い……助ける……べきだよなぁ!


「待て待て待て、待てやごるぁぁぁ!」

これだけは、どうにかして防ぐ!




―――★―――




「っ! うっそ!?」

機銃がリサに向けられ、凄まじい勢いで襲い掛かる。

リサ自身が持つITEMでの身体強化で、常人の8倍の身体能力を得ている。

しかし、それでも後ろに張り付いてくる戦闘機……ゼロ戦の機銃からの回避は難しい。


「っく!」

だからこそ、近くの木を盾にして、ゼロ戦からの視認を困難にさせる。

「……まいった、な……」

しかし、それは走り続けられるのが前提。

8倍の体力は、無限ではない。勿論、その回復力も。


「っきゃ……!」

掠る、銃弾が偶々彼女の近くを通過しただけだが、彼女は最悪を想定する。

「追いついて、来ている」

勿論、元から速度では負けていた。だからこそ小回りと木の盾を使っていた。

……しかし、その2つを用いても、既にかなり彼女は減速している。

だからこそ、ゼロ戦に補足される。


「―――無視すんなやおっらぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「っ!?」

飛び出したのは、ティアゴだった。

……体から黄色い光を帯び、一直線に飛んでいく。

「―――行くぜぇぇぇ! 舞い歌う雷デスハート・デッドビートォォォッッ!!」




(……何とか、電磁石の要領で、うまく着地できたな……寒)

右側の主翼に着地し、そのままITEMの能力で磁力を発生し、直立する。

舞い歌う雷デスハート・デッドビート……能力は電気の発生、操作。

雷はティアゴの内側から発電し、身体能力の強化もそれの応用だ。


「さてさて……このフロントガラスでも壊せば……おおぉ!?」

急激に、重力が反転する。

……いや、反転したのはゼロ戦とそれにくっ付いていたティアゴだが。


「まっ!?」

リサを撃ち殺す為、低空飛行していたゼロ戦が反転する事で、枝や葉がティアゴにぶつかる。

「いててててててててっ! 痛い痛い痛い!」

擦り傷や切り傷ができ、消耗していく。


「死ねおらぁぁぁっっ!!」

流石に堪忍袋の緒が切れたのか、足場にしていた右側の主翼に強化された身体能力で大穴を開ける。

「ざまみろばかっ!」

そう、若干負け惜しみ気味に叫び、逃げる様に主翼から飛び降りる。




―――★―――




「クソ、クソ、クソ、クソクソクソ!!」

あ、あの馬鹿……まさか、拳骨一つで俺の帝國ノ翼(ワガツルギ)の主翼に……。

どうする、このままでは……落ちる……。


「負けるのか……死ぬのか……? 俺は……また……?」

ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなふざけるな!

俺は……俺は……俺は、俺は、俺は俺はっ!


死ねるかよ! お前らを殺さないうちにぃぃっっ!!!」

手を貸せ……俺に、手を貸せよ! 帝國ノ翼(ワガツルギ)




―――★―――




「……あるとは思っていたが……離脱装置か……」

パラシュート……しかも、かなり風に流されている……追うのは、やめておこう。


それに、今回の痛手は少ない。

リサも、三枚張り……8倍で凌いでくれた。

底は、うまく隠せた。

……それに、だ。


「まずは、これからどうするか……だな」

「う、うん……とりあえず、2人を迎えに行こう」

この嘘つきの本性を知れた……大きな収穫だな。




―――★―――




「はぁ……はぁ……っ!」

あぶな、かった……。

「く、っそぉ!」

あの、鬼畜米英ども……後で、必ず……殺す!



「―――厄介なんだよねぇ、君みたいなITEMのタイプ……執着が強いのか、全然奪えるタイプがなくてさ」



「っ!?」

な……女の声!?

「どこにいる!」

「んー? ……ああ、『七色の大罪(クリア・シン)』発動中だったっけ、テヘッ☆」


……声はする……だが、見えない……透明になるITEMか……?

もしくは、声だけを届ける能力の可能性もある……。

……とにかく、帝國ノ翼(ワガツルギ)はしばらくは使えない。

しばらく発動しない期間が必要だ……なら、どう切り抜ける。

もし、透明になるだけなら……初撃をもらう可能性はあるが……確実に反撃できる。


「……来るなら来い!」

「おや? 結構好戦的だ、意外だなぁ……ああ、やっぱり日本のエアファイターって元々こんな感じなのかな?」

気持ちの悪い笑い声が、周りに木霊する。

「それなら、遠慮なく……」

……その気味悪いニヤケ面に、確実に拳を叩き込んでやる。



「―――金蠍銀蛇(バッドステイタス)白く淡く(ホワイトリップ)……おまけだ、無識界(インフェルノ)



―――その瞬間、辺りが混沌と化す。



「ッな!?」

馬鹿な……1人につき1つじゃ……!?

「うふふ、奪ったんだよ? 殺してさ……それじゃあ、せいぜい奇妙にあがいてネン☆」

ふざけるな、ふざけるな!

「てめぇ! 殺―――」

「うるさいよ、雑魚」



―――地面に出現した、巨大な顎に……男は、なす術もなく噛み砕かれていく。



「んー……終わりっと……これで、10日かぁ……先は長いなぁ……最近、ITEMを落とす人も少ないしね」




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