我が剣、鉄風雷火の雨となれ。
「逃げんなっ! 仔蟲がぁ!」
ちらちらちらちら……外人男と外人女が……っ!
「良かったぜ! てめぇらが最初でよぅ!」
操縦桿を握り、極々低空を駆る。
「はぁ……はぁ……」
落ち着け、落ち着け……演習通りだ……。
何でか知らんが、『帝國ノ翼』は油も弾も全く減らん……。
……だが、今は良い……。
「殺す、殺す殺す殺す」
スイッチを押して、殺すだけ……変わらない、やる事は変わらない。
「だから……逃げんなぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
―――★―――
……ケツがヒリヒリする……。
いってぇ……。
「どうする、ティアゴ?」
隣に並走するリサが聞いてくる。
……なんだか遠くでシマとトーキが叫んでるが、機関銃の騒音で聞けやしねぇ。
「……とりあえず、俺らでどうにかすべきだな……あの二人には機動力がねぇ」
さてと、どうすっかなぁ……。
「あっ! 良い事考えた!」
「お、聞くぜ」
考えるのは、俺は苦手だしな。
他人任せでちょうど良い。
「二人バラバラに動いてさ! あの飛行機を混乱させるの!」
…………おお!
「あったま良い! ノッたぜ!」
―――★―――
「……あ、漸くバラバラになったみたいだ」
っち、あの阿呆共が。
「それで、何かいい案はあるかい?」
……シマめ、そっちからは情報を出さない気か……?
だが、ここで出し惜しみしていたらリサが死ぬ。
…………背に腹は、か……。
「リサは、身体強化だ見ての通りな……最高で常人の十数倍は出せる」
……リサには申し訳無いが、リサの為だ。
「そっか……こっちもだいたい同じだよ……ジャンプ力は、ちょっとわからない」
あの戦闘機は、機関銃の掃射を数分に渡って行っている……。
となると、能力は「消耗しない」辺りか……?
だとすれば、やはり長期戦はまずい。
「………………」
手渡されたシールを握りしめながら、思案する。
これを渡せば、あの戦闘機程度の高さなら跳躍は可能だろう。
だが……シマに、ティアゴに見せていいのか……。
見せて……俺たちは勝てるのか……?
―――★―――
「…………どうしよう、どうしよう……」
トーキは、出来るだけ隠せって言っていた。
それでも、多分16倍じゃああの飛行機には届かない。
でも、全力を出したら……ティアゴも強化できるみたいだし……。
あの二人は、きっと底が見えないから襲ってこないんだ。
利用できるから、襲ってこない……。
じゃあ、利用し終わって、底が見えたら……。
「……うぅぅ、どうしよう……って、うわぁ!」
そんな事を考えてるうちに、飛行機が私に向かってくる。
……考えるのは、後だ!
「かかってこぉぉぉい!」
大きく叫んで、士気を高める。
「―――無視すんなやおっらぁぁぁぁぁぁ!!!!」
―――リサが叫んだ途端、黄色い閃光が辺りを包む。
―――★―――
「あの、馬鹿……っ」
っとと、危ない危ない……。
流石に、今のは聞かれたら不味い……。
……でも、ここで使われるのも、ちょっと不味い。
なんせ……さっきはぐらかしたばっかりだ……。
そこを追及されると、少し困る。
「―――行くぜぇぇぇ! 舞い歌う雷ォォォッッ!!」
雷が、幾条もの閃光となってゼロ戦へ向かう。
「……身体強化、ねぇ」
「あ、あはは……嘘は、言ってないよ?」
……本当に、タイミングが悪い。
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