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後悔しているから、僕は全部殺す。  作者: 鬼羅
1日目、遊戯開戦。
10/39

触れられざる、その棺桶。


「…………あの飛行士、やられちゃった」

まぁ、あの二人にやられるくらいだしなぁ……。

「なるほど……それで、セカ……エリナさん……ITEMはどうしました?」


…………うーん。

「落さなかったみたい、やっぱり死因と違ってお気に入りは落とさないっぽいね」

「ふむ……しかし、彼の場合は難しいですね……さて、ではどうします?」

……うへぇ、めんどくさ。

堕天矢(フォーリンラブ)使いたくなる面倒くささだ。


「3rdはサッサと1stの所に戻って良いよ、1人で帰るし」

「それはできません」

だよねー。面倒くさいなぁ。


「……じゃあ、帰ろうか」

「ええ……それで、1st様はどうやって彼女を仲間に誘う気でしょうね」

「さぁ? 君の方が知ってるんじゃないの? 直接受けたのは君らじゃん」

そもそも私アイツ嫌いだし。


……結構すごいことだよ、私が嫌うだなんて。

「まあ、彼……私たちの仲間には成れなかったけど……良い当て馬にはなってくれたね」

「ええ、おっしゃる通りです」

皮肉も解らない馬鹿。

何もかも嫌になるね……はぁ……また会いたいなぁ、リサちゃん……。




―――★―――




時間は初日の夕方に遡る。

「……おや、これが件の……どうにか節約したら、3日は持つかな?」

リサとの『パン悔い狂騒』に引き分けたエリナ・エッフェンベルグは、手元にあった袋を覗き微笑む。


「っま、種は蒔けた、伏線も引いた……後はどう利用するかだねぇ」

コンビニ袋じみたパンの入った袋をクルクル回しながら、森を進む。

……木が抜け開けた場所に、人影を発見する。

真っ黒な髪で少し長め、白いワイシャツに暗めのジーンズ。


(……ふむむ……隙だらけだぞぅ)

そう判断すると、弓を番え狙いを定める。

「おい、無駄だぞ」

背後を取っているはずのエリナに、男は見透かしているかの様に話しかける。


「っ!」

男の一声に、エリナは一瞬身を震わせる。

(……おっと、これは……あのステルス女と同じくらいかも知れないぞぅ……)

「出てこい、そこじゃあ戦い辛いだろう」

一瞬思案し、木の背後から出ていく。


「あっはっはー、怖い顔しないでよー、スマイルスマーイル」

「……っち、最初がお前の様な馬鹿女とはな……」

服の胸の辺りから、なにかを取り出すような動きをする。

「それで? 何の用だ?」

頭を掻きながら、エリナに尋ねる。


「んー? べつにぃ? ほら、殺し合いでも協力し合いでも、お好きな方をどうぞ」

緊張感のまったくない声に、小さい舌打ちが聞こえる。

「……まあ、話しだけは聞いてやる……それで、まず名乗れ」

「ふむふむ、私に興味津々だネ! 性はエッフェンベルグ、名はエリナ! あなたのハートを射殺す女よ!」

「ああ、そうか……綴りは?」


喧しい挨拶に、冷淡な質問で返す。

(おやおや、このままじゃあ私が馬鹿女みたいじゃないか……この理性マンめぇ、隙なんて誘わずにブスッと行っちゃおうかな?)

内心物騒な事を言いながら、綴りを伝える。


「んで、エリナはElenaね、E・l・e・n・a!」

「ああ分かった……もう黙れ」

「…………っ!?」

途端、エリナの口が勢いよく閉じる。


「……墓碑銘・葬列アンタッチャブル・コフィン……覚えておけよ、他人の意思を操れるITEMもある」

そう言って、エリナの名が書かれた単語帖を取り出し、漸く振り返る。

「――――ッ!?」

今度は、その男が驚愕の顔をする。




―――★―――




堕天矢(フォーリンラブ)と言うITEMがある。

所持者はエリナ・エッフェンベルグ。弓の形であるが種別は射出型……つまり、効果が及ぶのは主に矢である。

しかし、若干ながら弓にも微弱な矢とは別に効果がある。

光の矢を生成する以外に、もう一つだけ……。




―――★―――




「……美しい……」

「は? え?」

先程までの冷静な態度は消えた。

ただただ、年相応の反応を見せる。


「……エリナ……俺は……いや、僕は……君が好きです!」

「う、お、え……えぇ……」

奇しくも、先程とは表情が入れ替わる。

苦々しい顔と、嫌味なほど爽やかな笑顔。

「この戦い! 二人で勝ち残ろう!」

動けないエレナの手を、強く握りしめる。




―――(パイ) 宝玉(バオシィ)

―――18歳、男性

―――ITEM:墓碑銘・葬列アンタッチャブル・コフィン 死因:轢死




「………………」

青ざめた顔で、若干手を震わせる。

(なんだ、こりゃ)

遠い目で、自分の手を握り続ける男……バオシィを見つめる。




―――★―――




堕天矢(フォーリンラブ)と言うITEMがある。

命令を光の矢に込め、生物に対し命令を実行させる能力を持つ。精神操作系のITEM。

意思を光の矢に変える機能だけではなく、この弓を見つめた者を魅了する効果を持つ。



「だなんて、まっっったく説明書には書いてないんだけどねーー!」

ははは、あーんな弱い魅了に引っかかっちゃったかー。こりゃ想定外!

「トライアンドエラーの精神で行くつもりだけど……こりゃあ、悪戯が過ぎたね!」


こうなると……他のITEMの悪戯も最悪……たはーっ、考えたくない!

余計な茶々は入れるもんじゃあないね! みんなゴミン!

「さてさてさぁて? こうなると他の参加者の動向も見てみなきゃなぁ……あーっ! 面倒くさぁぁぁぁい!

自業自得なんだけどねーーーー!




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