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後悔しているから、僕は全部殺す。  作者: 鬼羅
1日目、遊戯開戦。
11/39

淡い貴方は、白々しい。



「……なあ」

不意に、トーキが前を歩く3人に話しかける。

「なぁに? どうかしたのトーキ」

「お腹壊したか?」

3人は立ち止まり、振り返る。


「ええっと……俺達は一応あの目立つ巨大樹を目指して歩いている訳だ」

2日間ね、とシマが補足する。

「そう、2日間……あの木、どう見てもでかくなっている」

そうトーキが言うと、3人とも肩を落とす。


「何で言うんだよーーー!!」

「考えないようにしてたのにぃぃぃ!」

「はぁ……厄介だね、面倒だよ……」

それぞれに落胆した様子を見せ、座り込んだり木に寄りかかったりする。


「事実だろ、で? どうする?」

まったく悪びれず、3人に意見を仰ぐ。

「……いや、行こう……あの高さなら、周りの地理に関する情報は十分得られる」

シマの意見に、3人は賛成の意を表す。


「ITEMだよねぇ、やだなぁ……私痛いの嫌だよ……」

「俺なんかまだケツ痛いんだが……」

前回の戦闘に参加したリサとティエゴがそれぞれ愚痴をこぼす。


「ほら、行くぞ……流石に戦闘機みたいなのは変わり種だと思うしな」

「そうそう! 次は僕らも戦うからさ!」

励ます様にシマとトーキがへこたれている二人に言う。




―――★―――




「……それで、被害は?」

眼鏡をかけた青年が、黒髪の青年に報告する。

「はい、1st様……6thから8thまでが死亡……それ以外の者も負傷」

その報告に黒髪の青年……バオシィは、頭を抱える。

「っち、無能どもが……六人がかりで、何故こうも被害を出す……馬鹿共め……」

あからさまに不快感を表しす。


「……落ち着いてください、1st様……」

「そーだそーだ、落ち着けハゲェ」

「ああ! わかったよエリナ!」

急に笑顔になるバオシィ、それとは逆にとんでもなく顔を歪ませるエリナ。

「私の名前呼ぶなハゲ」

毒を吐き、椅子から立ち上がる。


「へい3rd、行こうよあのステルス女の所にさ」

「……はい、わかりました」

3rdと呼ばれた青年を引き連れ、エリナはその場から立ち去る。

「…………つれないな、エリナ……ああ、いや……2ndと呼ぶべきか……?」

取り残されたバオシィは、肩をすくめ苦笑いをこぼす。




―――★―――





「……おー……?」

立ち上がろうとしたティアゴが、素っ頓狂な声を上げる。

「…………んん?」

続いてリサが、そして残りの二人も同じようにある一点を見る。


大樹が、伸びている。

上に、上に、ひたすら上に。

摩天楼を彷彿とさせる急成長を遂げる。


「……ITEMだろうな、木がそうなのかは知らんが……」

再び出たトーキの言葉に、今度はシマも膝を折る。

「行くぞ、行く理由が増えた」

早速大樹に向かうトーキに、三人はため息を溢す。


「人造人間かなにかか、アイツ」

「鬼の子だよ、ダミアン少年だ」

「まあ、うん……スパルタだよね」

コソコソと、それぞれにトーキの悪口を言い合う。


「……っと、動くな」

同行者達の悪口を無視し、三人に静止を促す。

「敵だ」




―――★―――




「……お目覚めの気分はどう?」

「良くはない……あらぁ? あなたこの前の……」

ええ、っとぉ確か……弓使いの……。


「今は2ndで通しているの、それで貴方は9thね」

……何言っているのかしら……私の名前は……。

「……っ?」

「言えないでしょ、名前……あの単語帳にぜーんぶもってかれちゃったからねぇ」

は?


「どうして、そうなったの?」

「脳天に堕天矢ぶち込んで、しかもあの単語帳も使う……認めたくないけど、相性ばつぐーん!」

……つまり……。

「戦闘人形、9thちゃん! 爆誕ねっ!」

ああ、最悪……。


「目覚めがこうも最悪なのは、生まれて初めてだわ……」

「死んでから、じゃない? さって、じゃあ最初のミッション!」

……憎たらしいほどハイテンションね……。

「私たちの秘密基地である『大樹』を餌に、参加者を集めています! その釣果どもをぶち殺しまくりまっしょう!」


「私好みのイカレた作戦ね、嬉しくて泣きそうだわ」

……どうせ逆らえなさそうだし……やるしかなさそうだわ……。

「ついでに何人かとっ捕まえて、拉致って、洗脳すれば補充できるでしょ」

「下種が……」

「人殺しが、なぁに言ってんのさ」

そう不愉快な笑みを浮かべながら、ひらひらと手を振る。




―――★―――




「―――走れ!」

トーキのその言葉に、一瞬の逡巡ののち、他の三人も走り出す。

「……リサか」

「っまね!」

そばに来た仲間を確認し、そのまま森を走っていく。


「……アイツらに三人くらいついて行ってくれれば楽だな……」

「えー、それは無いんじゃない? あはは」

軽口を言い合いながら、開けた場所で向き直る。


「…………はじめまして、こんにちわ……私の名は3rd、とお呼びください」

眼鏡をかけ、金髪の髪を整えた青年がそこにはいた。

「一対二……なると、向こうは二対二か……」

「なぁんだ! こっちは楽でいいね!」

あはははは、とリサが快活に笑う。


「……っふ」

それを鼻で笑い、西洋剣を構える。

「行きましょうか……」

不敵に笑いながら、剣を抜く。


「かかってこい!」

「……油断するなよ」

お互いに十分警戒しながら、距離を詰める。



「そぉぉねぇぇぇ! あっはっはっはっはっは!」



「―――ッ!?」

「きゃっ!?」

背後からの襲撃を受け、2人は体制を崩す。

「もう、一人だと……!?」

「そぉよぅ? 私は9thちゃん! 以後よろしく!」

何もない空間から、ケラケラと笑い声が響く。

「……やばそーだね、トーキ」

「ああ……気を引き締めろよ、リサ」

「うん!」




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