天から堕ちる、天使の矢。
「あはっ、あはははははっ!」
……耳障りな笑い声……ホントウザったいわね……。
「ほらほらほぉらぁ! こそこそしてたら死んじゃうわよぉ!」
「うっさいわよ! あんたこそピョンピョン跳ね回ってるだけじゃない!」
……にしても、ジリ貧ね……。
どうにも『堕天矢』を使うには相性が悪い……。
「と言うか! 見えなくなるなんて卑怯よ!」
「あははは! あははははは……」
……さて、どうにかしてここを離れなきゃね……。
―――★―――
「……いくらなんでも遠くないか?」
かなりの時間、巨大樹に向かって歩いている筈だが……一向に近づいた気がしない。
「あははー……もう夕方だねー」
「ちかれたー、もうやだー」
……確かに、いくら体力がある奴でもキツイな……。
「少し休むか」
「おっ、いいねぇ!」
俺がそう言うと、ティアゴは早速地べたに座り込んだ。
「歩きっぱなしで足が疲れちまった」
……まあ、それもそうだな。
「それにしても……俺たち以外の参加者に出会わなかったな」
けっこう歩いたつもりだが、まったくと言って良い程気配がない。
……確か参加者は364人……いや、俺を含めると365人か。
その人数にまったく合わないとなると……まずこのゲームのマップがどの程度広いのか気になるな……
「……そういえば、お腹へったね」
「あー、そう言えば朝から何も食べてないな」
……しかし、90日間飯はどうするんだ?
最悪餓死するぞ……。
「なーるほーどねー! そっかー、君たち不便な体してるんだったねー!」
「っ!?」
「なっ!」
「え?」
「What?」
この声は……まさか!?
「いやーっはっは! 動かしてみて初めてわかる問題点! うっかりうっかり!」
……やはりどうにも頭に響く声だ。
聞いててイライラする。
「そーだよねー! お腹減っちゃうよねー! 大変だよねー! ごめんねー!」
……さっさと要件を済ませて欲しい。
「だーかーら! てってれー! 【パン悔い狂騒 ~一回目~】開催だーっ!!」
「うおっ!?」
その叫び声とともに、頭に激しいノイズが走る。
―――【パン悔い狂騒】
―――るぅる説明!
―――お腹減ったら僕を呼んでね!
―――五分間参加者とののデスマッチ! 生き残れば三日分! ぶっ殺したなら一週間分!
「っじゃ! ばいばーい!」
「―――っは! はぁ……はぁ……」
まるで全力で走った後の様な疲労感を残し、あの阿呆の声は消えていった。
「……ぱ、パンか……どうする?」
「行かないに決まっているだろ、馬鹿め」
ド阿呆のシマにそう言い放ち、木に寄り掛かる。
「えー? なんでー?」
「なんでもクソもあるか……危険すぎる」
参加者同士の手っ取り早い殺し合い……ITEMの性能差がある以上、決して公平とは言えないな。
それに、俺のITEMは準備が必要なタイプだ。
「……っま、今日は寝て誤魔化せ」
「ああ、そうだね」
「っま、しょうがないな」
さて、寝るか。
「しーにがーみさーん! 私やるよー!」
「―――っ!?」
「え?」
「はぁ!?」
四人のうち、一人が消える……。
「あ、あのアホ女…………っ!!!」
飯に釣られやがった!
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