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後悔しているから、僕は全部殺す。  作者: 鬼羅
1日目、遊戯開戦。
3/39

舞踏し歌唱す、二人組。

「どうだい、ティアゴ」

「……uh……誰も近くにいないみたいだ」

そっか。


「ほら、おいでミンチ」

茶色いマルチーズを呼び、抱きかかえる。

「っじゃ、そろそろ森から出ようか」

「ok! レッツゴー!」




……結構歩いたな。

でも、まだ森から出れない……かなり範囲の広い森みたいだ。

それに、あの大樹……スケールがでかくて近づいている筈なのにまったくたどり着けない。


「……なぁ、シマ」

突然、ティアゴに声をかけられる。


「ん、なんだい?」

「……俺、疲れているのかな……女の子が飛び跳ねていた」

……いや、この世界じゃああり得なくはない。

「行こっか」

「ok、行こう」






―――★―――






「うっひょーー!!」

「うるさい! やたらに飛ぶんじゃない!」


ったく、はしゃぎすぎだ。


「誰かが来たらどうするんだ」




「ハロー! アミーゴ!」

「あ、こらティアゴ!」





「―――ッ! リサッ!」

「オッケー!」

十徳ナイフ……『青天』を構え、二人の男に向かう。


「ま、待った待った! 落ち着いてくれ!」

黒い髪のノッポが手を振るう。

……なんでマルチーズなんかを抱いているんだ?

もう一人は……褐色の……堀の深いよくある外国人顔だ。


「ヘイ! カモーン!」

「煽るなリサ」


「ヘイ、シマ! やっちゃおーぜ!」

「君も乗らないでくれ!」


……しばらく、互いが睨み合う事になった。

「……ティアゴ、下がってくれ」

「リサ、お前も少し下がれ」


「えー、そりゃあないぜシマ!」

「そりゃないよトーキ!」

(……世話がかかるなぁ)

(っち、面倒くさい)

どうにも、お互い手綱を握るのに手を焼いているらしい。


「……それで、どうする」

「ははは……えっと、僕は志摩 了太郎って……」

「よろしく、シマ」

別に自己紹介はいい。

「……あはは、うんよろしく」

いいから、本題に入ってほしい。


「えっと、俺らはとりあえず町に出ようかなって話なんだ」

「……ほう」

協力要請でもしてくるかと勘ぐっていたが……。

ただ偶然会ったみたいだな。


「……え、えと」

「ああ、すまん……街か……そこまで着いて行っていいか?」

一時的にでも、数は多いほうがいい。

それに、人数が多ければ試せる事も多い。


「このゲームは生き延びることの方が重要だ……そうだろ?」

死んだら終わりなのはここも同じだ。

……誰も殺せずに終わるのは避けたいが、死ぬのはもっと避けたい。


「うん、わかった……いいよね、ティアゴ」

「おう、良いぜ!」

……何とか上手く行ったな。


「わかったか? リサ」

「え? 何が?」

……この女……っ!

「じょ、冗談だよ……怖い顔しないでよトーキ……」

「……わかったか?」

「ば、万事オッケー!」


「よし、じゃあとりあえずどっちに行く?」

「ああ、とりあえずあの大樹を目指していたんだ……目立つし、登ったら何か見えるかも知れないしさ」

……なるほど。

「じゃあ、話しながら行こう」

「え? 何でだい?」

「まあ、少し確かめたいことがある」

この二人が、どれだけルールを把握しているか気になるしな。






―――★―――






「へえ、なるほどね……ありがとう、助かったよ」

「いや、気にしなくていい……しばらくは同行するんだからな」


……結局、新しいルールの発見は無しか。

これは、難航しそうだな。


「……ところで、僕も武器を触らせたほうがいいのかな?」

「……いや、体だけでいい」

所詮目的を成したら別行動だ、そこまで信用すべきじゃあない。


「じゃあ、握手」

「ああ」




―――志摩 了太郎

―――18歳、男性

―――ITEM:精肉屋の懐事情(ブッチャー・ミンチ) 死因:滑落死




「うん、ありがとう」

……物騒な名前だったな。


「お、じゃあ俺も!」

「お、おう……」

グイグイ来るな……。




―――Tiago Larraya

―――15歳、男性

―――ITEM:舞い歌う雷デスハート・デッドビート 死因:心停止




「……よし、これで終わりだな」

しかし、まったくどんな物が武器かわからんな。


「……ところで、その犬はなんだ?」

「ああ、ミンチって言うんだ! かわいいでしょ」

……いや、シマの方は大体わかった。


(……ねぇねぇ、私はどうしたらいい?)

(そうだな、リサはなるべく触らないようにしてくれ、出来るだけ隠せる物は隠したい)

まあ、この二人の詰めが甘いおかげで今回は隠せるだけだけど。


「……それにしても、ぜーんぜんつかないジャン! 疲れたー、トーキー!」

「……トーキー言うな……それにしてもデカいな、あの木」

まったく近づいている気がしない。

「ははは、道は長そうだな!」

「あはは、そうみたいだね」




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