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後悔しているから、僕は全部殺す。  作者: 鬼羅
1日目、遊戯開戦。
15/39

雨中、全てが解ける。


時間は、初日に遡る





「……本当だ、傷がない」

あの傷を受けたのは、絶対に気のせいでも何でもない。

それに、死ぬ直前の記憶もちゃんとある。


「それで……これかな?」

あの陽気な子供が渡してきた武器を持つ。

「うん、良かった……ちゃんと持っている」

大切な、家宝の刀。

これを無くさないで済んだのはありがたい……。


「……さて、と……」

とりあえず移動しよう……。

どんな奴が居るかも解らないし、腰が落ち着ける場所を探そう。

「ん…………?」

誰か、いるな……。


「誰です? そこにいるのは」

一応、柄に手を置く。

「っくっく、ばれちゃ―――」

「問答無用ッ!」

―――一瞬で、襲撃者の頭と腕が飛ぶ。


「……ん、うわ……体が消えた……」

なるほど……死体を使った細工は出来なさそうだ……。

「ん? おや?」

これは、もしかして……。


「これが、彼の武器なのかな?」

先程切り落とした右腕に、何か握ったまま消えずに残っていた。

「ん、よし……まずは一人」

正直、一日だけで十分だけれど……まあ、備えなれるに越したことはない。


「……と、なると……これからどうしようかな」

安全な寝床を探して……それからどうしよう。

「いきあたりばったりでいいか」

何かあれば、その時の僕に任せよう。


「とりあえず今日の寝床だ」

雨風をしのげる場所が良いけれど、まあ最悪柔らかい土でも良い。

無ければ作ればいいし、先に取られていたら奪えばいい。

本当に何もなければ諦めればいい。


「頑張るか…………ん?」

……なんだ、あれは……煙?

火事、にしては変な色の煙だし……とにかく何かが違う。


「すこし首を突っ込んでみよう」

敵なら切るし、それ以外なら少しくらいは話しをしてみよう。

なんにしても……行動だ。

「さて、行くか」




―――★―――




「ふーん……」

大き目の木に腰かけながら、女性は自分の成果を興味無さげに見る。

「もしかしてぇ……私って強い?」

手の上で何かを転がしながら、そう呟く。


……彼女の周囲には、怪しく立ち込め、そうして三人の男女が倒れていた。

「さぁて……じゃあ殺すか」

立ち込めていた煙が、倒れている三人を包む。

いくらかもがく音がした後、そのまま動かなくなる。


「んー、よしよし……それなりに性能は分かったかなーぁ」

満足げにそう言い、彼女は立ち上がる。

「さて……後27人、中々先は長いなぁ……」

煙を解除し、その場から立ち去ろうとする。


「…………動くな」

「あらら、いたの」

突然背後からの呼びかけに、女性は両腕をあげる。

「……えっとぉ、今はあんまり戦う気はないんだけど……」

「それは僕が決めます」

素気無くそう断られる。


「僕はそれなりにやる気はあるんですけど、貴女は?」

「……割と深刻に、生き返りたいわねぇ……」

その返事に、少し思案し。

「僕に協力してくれるなら、生かしてあげます」

「……はい、どーぞ」


手に持っていた、細い管の様な者を投げ渡す。




―――理性融解・不可逆世界スベテガトケテヒトツニナル

―――気体型 所有者、Maria(マリア) Anastasi(アナスターシ) 残り時間、71時間59分32秒

―――パイプを介し発生させる、紫色の煙。

―――煙を吸引した者をに、麻薬の様な作用を与える。




「……麻薬?」

「ドッラクよ、知らない?」

「ど、どらっく?」

いくら聞き返しても、彼には要領の得ない答えだった。


「ねえ、返してー」

「あ、ああ……はい」

煙管を返し、刀を納める。

「はぁ……刃物なんて背中に突き付けられたのなんて久しぶり……あら?」

振り返ったマリアは、少し面食らう。


「えっと、なんて言ったかしら……あ、そうそう!」

何かを思い出したのか、手をたたく。

「サムライ!」


「……まあ、未熟者ですけど……」

頭を掻き、照れた様に笑う。




―――★―――




(……殺し慣れた動きだな……)

霧の中、静に相手の実力をはかる。

(さて……TEMPEST(白狼)の準備は出来たが……どう来る? ガキンチョ)

凶暴に口を歪め、首元のドッグタグを弄る。


(……何をしてくる……?)

一方、こちらも相手の出かたを探る。

(殺気が無い……直接攻撃してはこなさそうだ……)

目を開き、相手の殺気を探るのを止める。


(マリアと同じ気体型なんだろうけれど……この霧そのものに異常はないし……)

後方の仲間のITEMを思い出しながら、一つずつ可能性を潰していく。

(……情報が足りない)

思考をいったん止め、刀を抜く。


(まあいいや、殺せば変わりは無いだろう)

殺意のスイッチを入れ、周囲の気配を探る。


「―――ッ!!」

そのお陰で、不意の襲撃を回避に成功する。

そうして、襲撃者と初めて相対する。


「……狼……?」

目の前に、一匹の白狼が躍り出る。




―――★―――




「……なんだ、これ……」

空を見上げながら、4thはあまりの出来事に足が止まる。

上空に広がる異様な暗雲は、直観的に悪寒が走る。

……相対していた二人も、そうして彼の仲間も同様であった。


(あいつ等も止まった……って、事は……あの女(9th)か……?)

未だに全容を明かさない仲間を思い浮かべ、どう動くか考える。

「ッ! ッ! ッ、ッ」

ふと、隣に立っていた仲間が身振り手振りで何かを伝えようとする。


「……ああ、そうだな……!」

頷き、彼女の背に乗る。

「逃げろ! 全速力だ!」

「ッ!」

二人の隙を突き、二人は巨樹へと走り出す。




―――★―――




「……ん~、アレ使ったかぁ」

一方巨樹の中で、エリナは観察する。

「さぁて、どうすっかな……放っておくとあの戦闘マシーン(9th)にスコアが行くしなぁ……」

腕を組み、そうして考えを纏める。


「しょうがない、作戦変更! プランDだ」

思考を切り替え、速やかに行動に出る。

(んー、んー、テステス、テステス、テステス? テーステステス)

頭の中で、そんな事を呟く。

(えー……3rd、4th、5thは逃げろ……なるべく、敵も安全に逃がせ)

巨樹の下で戦っている三人に、そう指示を出す。


(ついでだ、いい感じに敵を巻いてアジトに避難しろ……以上! ぐっどらぁぁぁっく!)

そうして、頭の中でつながっていた線を切るようにして思考を止める。

「んっんー! いい仕事したんじゃない? やっぱり私って有能だわ」

自信満々に胸を張りながら、手で弓をいじる。

「さって、それじゃあここも捨てましょっかねぇ~」




―――★―――




「っ!?」

突如、自分の中での思考の舵が切り替わる。

そうして、現在の状況を考え、舌打ちを打つ。

(撤退? この状況で……?)

そうして、目前の敵を睨む。


「…………」

(巨樹まで無事にたどり着ける気がしない……どうする……)

徐々に木が雨に溶け、モタモタはしていられない。

そうして木陰を進んでいっても巨樹の周りには木が少なく、確実にダメージを受ける。

……最後に。

(今の彼に、私の背後を見せるのは危険だ……)


「なんだ……雨が怖いか?」

目の前の敵……トーキは、確実に背中から容赦なく切りかかってくる。

短く長い戦闘の中で、3rdは敵の人格をそう判断していた。


「来いよ、生き返りたいだろ?」

「あなたに……関係ないでしょう」

死の雨の中、剣と剣が切り結ぶ。




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