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第44話 魔物は花を愛でるか その1

今回は、ピンクスライムと勇者の邂逅です。


ゆるく読んで頂けると嬉しいです

魔王城執務室ーーー


悪魔魔道士

「魔王様、勇者一行が魔の森の方角から魔王城へ向かっているとの報告が」


魔王

「そうか…住人の避難は進んでおるか?」


悪魔魔道士

「順次…」


魔王

「逃げ遅れた者がいなければいいが…」


部屋の隅で話を聞いていたスライムは、気が気ではなかった。


スライム

(…魔の森は、ピンクスライムちゃんの家の方…)


悪魔魔道士

「スライム君どうしました?」


スライム

「…避難所に、ピンクのスライムっていませんでしたか?」


悪魔魔道士

「報告には…上がってませんね」


次の瞬間、スライムが悪魔魔道士の目の前から姿を消した。


悪魔魔道士

「スライム君?」


魔の森ーーー


魔の森に、耳をつんざくような悲鳴が響き渡った。


「きゃーーーー」


アポロたちが悲鳴を聞きつけて駆けつけると、そこには植物の魔物に襲われたピンク色のスライムがいた。


ピンクスライム

「きゃー!助けてー!きゃーー!」


エンキ

「どうする?」


シグリ

「助けよう!」


エンキ

「そうだな。いいよなアポロ?」


アポロ

「…ああ」


5分後ーーー


ピンクスライム

「助けてくれて、ありがとう…あなたたちは?」


ティア

「私たちは…」


シグリ

「勇者一行よ!」


ピンクスライム

「え?勇者?…きゃ〜!きゃ〜!助けて〜!スライム君〜!」


エンキ

「だ、大丈夫!大丈夫だから!……助けたんだけどなぁ」


ピンクスライム

「そ、そうなの?」


ティア

「ふふ、大丈夫よ安心して」


シグリ

「うん…それにしても…このスライム…かわいい!!そのお花どうやってつけてるの?」


ピンクスライム

「えっ?この花飾り?これは突き刺してるのよ」


エンキ

「え?」


ティア

「痛く…ないの?」


ピンクスライム

「痛いわ」


ティア

「痛いのね…」


エンキ

「何をやっていたんだ?」


ピンクスライム

「お花を摘みに」


ティア

「飾るのかしら。魔物にも、花を愛でる文化があるのね」


ピンクスライム

「ううん、呪術用よ。あと、食用」


アポロ

「…食」


一人そっぽを向いていたアポロは、ポツリとつぶやくと、何かを堪えるように、身体を振るわせていた。


エンキ

「はは、やっぱり魔領域はちょっと違うな」


ピンクスライム

「他の魔物は、飾るよ!」


エンキ

「そうなのか?」


ピンクスライム

「うん!魔王様が広めたみたい。「美しいものを愛でよ」って」


ティア

「本当ですか?」


アポロ

「…」


10分後ーーー


エンキ

「…ガールズトークに花が咲いちゃったな」


アポロ

「いいんじゃないかな?殺伐としてばかりだと、息がつまる」


エンキ

「…お前が言うな」


なんでもない会話だった。エンキはその中にアポロの変化を感じていた。


シグリ

「ふーん、気になる子がいるんだ?」


ティア

「どんな子なんですか?」


ピンクスライム

「すごい勇敢な子なの。この前も襲われた私を助けてくれたり」


ティア

「…ピンクスライムちゃん…襲われがちなんですね」


シグリ

「カワイイから、仕方ないね」


ピンクスライム

「それに、照れると紫色になってカワイイの!」


シグリ

「カワイイね!」


ティア

「ふふ、それってカワイイんですか?」


三人

「ふふふふ」


エンキ

「ん?紫?それって…カオスの特徴…」


その時、森の奥から慌ただしい声が響いた。


「ピンクスライムちゃーーん」



ここまで読んでいただき、ありがとうございます



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