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アンブレイカーズ  作者: MRプロジェクト(詳しくはプロフィールにて)
終章「生き様」

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33/35

「33」生き様

そして時は[大怪獣Cc0001]に朱炎玲人が最高威力を撃ち込む1分前。


[怪獣ノア]が覚醒して少し後の事。


「みんな……すまない」

脚を失った者、利き腕を失った者、全身の骨骨が砕けた者、腹に風穴が開いている者。その全ては【怪獣サイキ ヨウスケ】がした事。


だが、応急処置を受け救護施設に連れて行かれる直前の交流で各人は安堵と笑顔を浮かべて問題ないと頷いた。


「と言いますか、ほんと相変わらず全裸ですね。服も体みたいに作ってくださいよ。今日着替え持ってきてないですよ」

「い、いやぁ、なんて言うか…そう言うのは出来ないっぽくてぇ面目ない……」


田所が苦労している視線の置き場に配慮して股下に手を当て萎れる陽介。


「腕…………ほんとにごめん」

「良いですよ、危険度天井の怪獣が仲間になって、陽介さんが戻ってきたんですから。腕の1本くらい安いもんですよ」

「麦わら帽子返したほうがいい? 貰ってないけど」


そう軽口を伝えていると陽介は周囲の様相の可笑しさに漸くと気づいた。


「なんか……え、なにこの行列というか霊魂の行進……てかなんかいつもの霊と違うな………あー。地獄の霊って事か」


怪人や怪獣、大怪獣に殺された人間は地獄を彷徨い歩くと言う。本来地獄で彷徨っている霊魂は地上に出てこない為陽介が意識しようともしなくとも、どちらにしても干渉は実質不可能となっていた。

しかし今、赤い瘴気を外套に行進している霊達。

休日のショッピングモールに集まった人の数を集めても全く足らない程の百鬼夜行。


それらが行く先は大怪獣の元。


「あ、あのぉ、なんで皆さんそちらへ行かれてるのですか…」


その問いに若い男の霊が歩きながら答えた。


「桃西が、戦ってたから。もう、魂が消えちゃったけど、彼女の意思を紡ぐ為に。俺達の国を、大切な人を守る為に…例え弱くとも、向かってる。地獄から逃げ出した大怪獣の元に」


掠れた声で男は続けて説明した。


大怪獣が地獄に【適応】した事。優勢だった地獄での戦闘は一変大怪獣が直ぐに適応効果を転用し、地上へ魂を帰還させた事。


地上では大怪獣へと至ろうとする個体に乗り移り【適応】し、そのまま孵化へ以降。

【適応】の効果が足し算な為に大怪獣の脳核が異常反応を起こし、地獄になく、現世に存在していながらもその核はしかし地獄の霊にしか本当の意味で触る事が出来ない状態となっている事。


「地獄に…適応……地獄の霊の攻撃しか、通用しない…」


反芻し顔を顰める陽介の背を、そんな口遊みを聞いていた雀が「陽介良かったな、初めての仕事だ」と臀部を強く蹴りながら言った。


「その威力のけつパンはエグいよ雀ちゃん」

「お前怪獣だし、いいだろ別に。つぅか、仕事だ仕事ー。お前の十八番だろぉ? 霊の力纏うの。話聞いてる感じ私らになす術がないなら、もうやれるのはお前だけだ――」


雀は陽介の目を見て言った。


「――だから、頼んだぞ。陽介」


その名前の本当の意味での回帰は、佐伯陽介の闘志に火を灯した。


「……あぁ。やってくる。…佐伯陽介として。怪獣として」

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