表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンブレイカーズ  作者: MRプロジェクト(詳しくはプロフィールにて)
第4章「原点回帰の一歩先を」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/35

「27」大怪獣vsアンブレイカーズ最上位トップ1朱円玲人

12月02日 時刻7時03分。


昇った朝日を食らう様に進撃する[大怪獣Cc0001]。その巨大な足音に負けない強さで草原の草土を踏みしだいて目標を目前に据えた男が1人。


アンブレイカーズトップ1、朱円玲人しゅえん れいじ


身長160センチという小柄さながらも強靭な筋肉と心、獰猛な性格を持つ彼は、けれどその核に元アンブレイカーズトップ1赤井陽介の像を、正義と生還と英雄の像を据えている。人に噛み付けど、人を救う人間ではある。


「――っふ」


空を見上げて眉にかかっていた前髪を一息で揺らがせば、彼は息をゆっくり肺に送り込んだ。


「……ぅし」


全身に感じる、今後これ以上強力かつ膨大な【支援能力】を受ける事のないだろう感触。


拳を握れば骨が泣き叫ぶ。

力み過ぎれば臓物が悲鳴を上げる。


それでも、死にはしない。

生きている。

堪えられる。


なにせこの力は目の前の巨大すぎる生物を一撃で葬る為に必要な力だから。


(この程度、我慢できなきゃ男じゃねぇ)


ゆっくり腰を落とし、脚にゆっくり力を込めていく。

裸足の裏で土を掴み踵を上げる。

滾り熱に溺れる全身の筋肉。

脳も目も、鼻も口も喉も息すらも何もかもが熱い。

それを一口の呼吸で肺に流し直し、ブンッと顔を上げた。


朱円玲人【箱庭】能力段階「4」


「効果」8つの頂点で括った透明不接触の壁の中を範囲内とし、ここに使用者がいる時 範囲内にある生命のうち、使用者が認知した生命だけが強制対象となる。その際、対象の数が少ない程に発生した衝撃の強さに倍率が掛かり衝撃力が上昇する。


倍率の上限は、範囲内に対象者1と使用者1の時。この時、倍率は両者共に10倍となる。


更に【箱庭】の範囲が大きくなる程にその倍率に倍率が重ね乗る。10mごとに1倍増加し、上限は1000倍である。注意点として、【箱庭」内で生じた外方向への衝撃は「箱庭」外に漏れる事なく壁に吸収される。


また、これら増幅した衝撃の威力は各人独自のモノとしてカウントされており、増幅された衝撃波が自己に当たったとしてもその威力は0である。


(〈東京〉崩壊のお礼参りだ)


現在の【箱庭】の範囲は大怪獣の範囲を超え、1km先の空へと突き抜けている。つまり現在の衝撃相乗倍率――10000倍。


(跡形もなく成仏しろクソカス亡霊が)


一切の塵として気にも止めず直進する大怪獣Cc0001。その巨大な兎足が地を黒く染め上げた  刹那  瞬く間に青草に陽の光が灯った。


大怪獣の肉体の一切が液体となり不可視の壁を伝ってずり落ちていく。しかしそんな見て呉れになってもなお、罅ひとつ無く酷く煌めきながら落下する翡翠色の巨大な脳核。


(マジかよ…)


自身の身体を取り巻く犇く重圧に踏ん張りその光景を見つめる朱円は、顔を強く顰めて心の中で舌を盛大に叩いた。


瞬間風速的に言えば事実上日本史上過去最高威力の一撃が放たれていた。


にも関わらず、歯牙にもとめないと言った風貌の翡翠核。それが地面に面した【箱庭】に衝突し、強烈な地鳴りを周囲に放つと同時、朱円の耳に通信が入り彼は空高く飛び上がった。


『――事象系能力部隊の攻撃準備を完了しました! ただちに各位順に転移し射出します!』


【箱庭】の効果は対象者のみに適用される。それ故に現場に来る必要がある。


そうして各人転移と共に可能な限りの【支援能力】のかかった倍率8000の威力の事象攻撃は、けれど、脳核に一切の傷を生み出す事が出来ないでいた。


核から生える超高速で再生された肉体を消し飛ばす事は何れも可能であったが、核にだけは傷をつけられない。物質の内圧を高める【能力】や腐食速度を高める【能力】等、特殊な【能力】を試すも効果は全くなく、もう、ただただ大怪獣を見上げられる様になるのを待つばかり。


そして聳え立った巨影。高温の熱と蒸気……進撃を開始する咆哮と、足音。


(手詰まりか…)


滅多に見せない朱円の諦める姿。


アンブレイカーズトップ1ですら成せない[大怪獣Cc0001]の討伐。


日本の滅亡はひと月もいらない。それを理解して、誰も未来を語れなくなってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ