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燈崎琴莉の革命日記  作者: 倉石 雨


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20.『銀貨の入ったプディング』

()貨の入ったプディング』

イギリスでは『幸運の占い』だなんて言われるらしい。

『独裁者』では終盤、独裁者暗殺の実行犯の押し付け合いのシーンでくじ代わりに使われていた。


「___り返します。本日、板垣大学において大規模な暴動が発___」


()の弾丸』

いわく、複雑な問題を一撃で打開するような決定的解決策を指すらしい。


「___激派は爆弾を用い、板垣大学を___」


『どの雲にも()の裏地がある』

イギリスでは『どんなどん底からでも逆転できる希望の兆しがある』なんて意味で言われているらしい。


「___死者50名超。過激派は今も立てこもりを続けており、政府は超法規的手段を含む本格的な()()()()()対処に向けて、専門家を招集し、検討を開始したとの事です」


()

今、独立革命を目指す人達が求めるのはきっとそれだろう。

例え、それを引いたことによって首相官邸で自爆テロを起こさなければならなくなる…なんて運命が待ち受けていても。


__________黒崎本音『革命日記』より抜粋



映画館から家に帰ってきて、少しニュースを見た後、寧々がそそくさと私の部屋に入っていった。

素振り的に何か閃いたのだろう。そっとしておくことにした。

…んー、暇だしプディングでも作ろ。


「何作ってるの〜?」

しばらくすると、寧々が部屋から戻ってきたようで、台所にひょこっと顔を出してきた。

「プディング」

「プリンじゃないんだ」

「似てるけど違うかな」

「手伝う?」

「うん」

ここから地獄だった。


ぶかぶかのエプロンを付けた寧々は可愛らしいけれど、任せてみると、目分量と称してドバっと砂糖を突っ込んだり、卵を机の角にグチャっとぶつけ潰したり…やりたいことはわかるけれどちょっと違う。


「できた!」

結局、ほとんど私が作ったようなものだけど…寧々は嬉しそうだし、まぁいいや。

「早速食べよ!」

「良いよ」

食べてみると、昔作ったことのある牛乳プリンの風味がある…でももっと甘くて、食べ応えのある感じだった。

「そういえば〜部屋ってどうするの?」

…あ、母親の部屋掃除するの忘れてた。


「ふぅ…こんなとこかな」

窓全開にして、家にある色んな掃除用具でとりあえずホコリとかそういうのを除去。

シーツとかも取り替えて、使えるように整えた。

「今日からもうこっち使って良いよ」

「んー…でも〜…もう1日だけ琴莉の部屋で寝たいかも」

寧々はそんなふうに言う。

「良いけど」

別にもう1日ソファで寝ることになってもそんなに苦じゃないし

「あっいや、そうじゃなくて………その……一緒に寝たいというか…!」

寧々はそんなふうにおずおずと言う。

「…?良いけど」

寂しくなったりでもしたのだろうか。

「やった!」

寧々は嬉しそうに跳ねた。

そんなに一緒に寝たいのなら別に毎日でも良いのだけれど。

次回、夜ご飯何にしよう。


中にあるかもしれない銀のためにプディングをぐちゃぐちゃにするか、プディングをゆっくり味わうか…まぁ、私は後者です。

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