16.買い出しに行こうと思う。
買い出しに行こうと思う。
理由は寧々のための色々を買わないといけなくなったから。
特に食料は服とかより優先。
ということで今日は近くのスーパーへ行くことにした。
寧々の好き嫌いは分からないため、本人に同伴してもらう。
「これ!」
「はいはい」
「これも」
「良いよ」
糖分比率多そうなカゴをカートに載せて押す。
寧々の希望だけ聞いていたらレトルト類やココアの粉などの、いわゆる加工品ばかりがカゴに入っていた。
…もしかして
「…寧々って自炊とかしたことある?」
「全然〜」
満面の笑みでそう返される。
…今までどうやって生きてきたんだろう?
そんな風に小首を傾げていると
「定期的に来てくれる契約家政婦さんが健康的な食事を用意してくれてたの」
と寧々に言われた。
………うーん。まぁいいや。
「おっ、お前らか!」
担任とばったり会った。
「おはよう先生!」
「…おはようございます」
「買い出しか?」
「はい。寧々のために食料品を買いに来ました」
そう言う私の顔を担任はちらっと見て、そしてカートに目を落とす。
「…やけに偏ってるな?」
流石、体育教師。
「ですよね」
バシッと言ってもらって。
「まぁでも2人の私生活に口を出せるほど俺も私生活整っちゃいないからな!頑張れよ!」
そう快活に笑っただけで担任はどこかへ歩き去っていった。
…おい体育教師。
「合計5,320円になります」
「私が払う〜」
「いや、私が払うよ」
そう言って寧々の頭にポンと手を乗せる。
分類上、『私の家のもの』になるんだし。
「はーい」
「仲の良い姉妹なのね〜」
あまり顔を見ていなかったレジのおばあちゃんから唐突にそう言われる。
あまりに唐突すぎて一瞬固まって、声も出さずゆっくり人差し指で自分自身の顔を指して、首を傾げたら、
「そう、あなた達!お姉ちゃんは大学生?妹さんは中学生くらい?良いわね〜そう言うの」
目を輝かせながら、二回りくらい歳の違いそうなその人がきゃっきゃとそう言う。
…どうしよう。今から明かすのも気まずいし…
寧々をちらっと見ると、パチッとウインクで返された。なるほど?私が何とかしろと。
「私達、今年2人とも進学で大変なんですよ」
愛想笑いをしつつ、そう言う。
嘘は言ってない。
「そうだったのね〜頑張って!おばちゃん応援してるわ!」
「ん、ありがと!」
寧々が幼そうな声で言う。
私は笑いを堪えるのに必死だった。
支払いと袋詰めを終えて、帰路。
「ね〜琴莉お姉ちゃん!」
「どうしたの?燈崎寧々〜」
そんな風にしばらく戯れて笑い合う。
「お昼何にしようか」
「レトルトカレー!」
「分かった」
お昼ご飯作るにはまだ少し時間あるしトレーニングしようかな
「どこ行くの?」
「ちょっと地下のトレーニングルームに」
「一緒に行く!」
…寧々ってそんなトレーニングやるタイプだったっけ?
「…トレーニングやらないの?」
「休憩!」
二人でトレーニングルームに来たは良いものの、寧々は1kgダンベルを数回あげただけでトレーニングをやめて、ずっと私を見ている。
…薄着だから初めて気づいたことが1つある。
寧々ってものすごく細い。
ほんとに最低限の肉しか付いてなくて、場所によっては普通に骨が浮き出てて、肌の白さも相まって不健康そうに見える。
今までオーバー気味な服ばかり着ていたのはこのせいだろうか。
…もしかして1ヶ月介護コース?
その後、順番にシャワーを浴びて、レトルトカレーを食べて、昼からは勉強会ということになった。
宿題に関しては量とか別に大したことないので1日で終わらせられそう。
次回、『全学独立共闘会議』




