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燈崎琴莉の革命日記  作者: 倉石 雨


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14/21

14.『伊藤高校事件』

『伊藤高校事件』

或いは『瑞路川事件』。

死者5人

現場確保362人

逮捕231人

補導・事情聴取131人

いわく『現代高等教育における最大の汚点』であり、『永山基準に基づく瑞路川蘭実の死刑は免れない』らしい。

…と、そんな報道がされてるテレビを延々と眺めていると、後ろからスっと手が伸びてきて、私の前にスマホの画面を突き出してきた。

「『わっちゃん』から今日報告来たんだ〜」

後ろからしたその声の主は寧々。

さっきお風呂上がりにアイスを食べていたからか息が冷たい。

突き出されたスマホには担当者の名前と、寧々の使う『黒崎本音』という作家名、他に色々なことが載っていた。

…見せて良いのこれ?


と、そもそも何故私達が同じ家にいるのか。

それは高校事件後に担任に呼び出され『お前ら2人とも一人暮らしなんだろ?柔道経験者の燈崎はさておき黒崎は強盗とか入った時、危ないだろうからしばらく二人で燈崎の家に住め』なんて言われたからである。もちろん反論したものの、どうやら校長の指示らしく、『決定』は変えられなかった。

まぁ寧々が良いのなら私の自宅に1人くらい住む人間が増えても構わないのだけれど。

『しばらく』がどれくらいの期間を指すのかはさておき、とりあえず今日の夜から一緒に住むこととなった。


「夕食何が良いとかってある?」

私が今いるキッチンから、ソファに寝転がった寧々を見ながら聞く。

「なんでもー!」

「分かった」

少し考えた末に楽に作れるものにすることにした。


まず、油を軽めに敷く。油の匂いが充満し始めて、換気扇をつけるのを忘れていたのでポチっと押して起動する。

雑に市販の細切れ鶏肉を突っ込んで、とりあえず良い感じのところでマジックソルトと少量のオリーブオイルをかける。

ぶわっと食欲を唆るハーブの匂いがし始め、寧々がひょっこり顔を出してきた。

「何作ってるの?」

「…イタリアンもどき鶏肉」

「名前決めてなかった感じなんだ」

「今までは私以外に食べさせたことなかったから」


レタスを用意して大きめの皿に盛り付けて、その上に『イタリアンもどき鶏肉』を載せる。

私は料理さっぱりだから無駄な工程とかあるかもしれないけれど関係ない。食べれれば良い。

次に炭水化物を摂るため冷凍食パンを取り出す。

トースターに2人分を突っ込んで250℃の8分に設定。


8分後には鶏肉も良い感じの火傷しない温度になり、寧々と食卓を囲む。

2人とも少食であることはわかっていたので全体的に量は少なめ。

1口目を齧ると、濃いめの肉汁?がハーブの香りと一緒に広がって、つい顔が綻ぶ。

寧々の様子も同じようだった。


締めのインスタントコーヒーを飲み干すと、すっかり満腹になった。

寧々は自宅から持ってきたココアの粉?を小さなスプーンで山盛り3杯入れたココアを美味しそうに飲んでいた。

かなり粉っぽそう。

次回、「部屋どうしよう?」

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