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残りマナ0.003%、世界の家計簿を黒字化します~追放された元監査官の最適化無双~  作者: 青柳 玲夜(れーやん)
第四章:再監査の時

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第12話:世界樹の開花——灰が花びらに

 光が、世界を包んだ。


 王都の地下から、巨大な光の柱が空に伸びていく。


 その光は、雲を突き抜け、空を覆い——


 そして、世界中に広がっていった。



『プロジェクト・スプリング:発動完了』

『世界樹:完全再生』

『マナ循環:正常化』

『灰の浄化:開始中……』



 俺は、地上に出た。


 そして——目を疑った。


 灰が——消えていく。


 空から降る灰が、一つ一つ——花びらに変わっていく。


 白い花びら。ピンクの花びら。淡い紫の花びら。


 まるで、桜吹雪のように——世界中に舞い散っていく。



「すごい……」


 エルが、空を見上げた。


 彼女の頬を、涙が伝っている。


「灰が……花びらに……」


「これが——『プロジェクト・スプリング』の結果だ」


 俺は、マナ・レジャーを見た。



『世界滅亡までのカウントダウン:00年000日 00:00:00 → 算出不能(危機回避)』

『世界のマナ残量:0.003% → 100.000% (SURPLUS)』

『灰の浄化率:1%... 10%... 30%... 50%...』



 100.000%——SURPLUS。


 世界の家計簿が、黒字になった。



「やった……」


 エルが、俺に抱きついた。


「カイさん、やりました……! 世界が、救われた……!」


「ああ……」


 俺は、エルの頭を撫でた。


「よくやった、エル」


「私じゃないです……カイさんが、みんなが……」


「みんなの力だ。俺一人じゃ、ここまで来れなかった」


 ベルが、俺の隣に立った。


 大人の姿のまま。


「カイ」


「何だ」


「約束、守ってくれたね」


 ベルが、微笑んだ。


 900年分の孤独が、溶けていくような——柔らかい笑顔。


「ありがとう」


「……ああ」


 俺は、ベルを抱きしめた。


「待たせて、すまなかった」


「ううん。待ってて、よかった」


 花びらが、俺たちの周りを舞っている。


 灰色だった世界が——色彩に満ちていく。


 空が、青くなっていく。


 草が、芽吹いていく。


 花が、咲いていく。


 これが——春だ。


 900年ぶりの、本物の春。

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