第11話:ベルの解放——大人の姿
マナ転送が95%に達した。
世界樹の活性度は、80%を超えていた。
だが——問題が起きた。
『警告:エル・アルシェラの魔力が限界に達しています』
『同期率:100%(維持困難)』
『推定残り時間:3分』
「エル……!」
エルの体が、震えていた。
顔は青白く、汗が滝のように流れている。
「大丈夫……です……カイさん……」
「無理をするな……!」
「でも……あと少しで……」
エルの体が、崩れ落ちそうになった。
「エル!」
その時——
ベルが、エルの隣に立った。
「私が、手伝うよ」
「ベルちゃん……?」
「私も、世界樹と繋がれる。私の力を、エルおねえちゃんに分けてあげる」
ベルが、エルの手を握った。
その瞬間——
ベルの体が、光に包まれた。
『検出:ベルフェゴールの封印が解除されています』
『形態変化中……』
『警告:封印の完全解除は、世界のマナバランスを崩壊させる可能性があります』
「ベル……!」
光が収まった時——
そこに立っていたのは、幼女のベルではなかった。
大人の女性。
銀色の髪が、風に舞っている。
紅い瞳が、俺を見つめている。
黒いドレスに、小さな角。
900年前に、俺と約束を交わした——絶世の美女。
「カイ」
大人のベルが、微笑んだ。
「久しぶりだね、この姿」
「ベル……」
「大丈夫。封印は、一時的に解いただけ。世界樹が再生すれば、また安定する」
ベルが、エルの手を握った。
「さあ、一緒に——世界を救おう」
エルが、涙を流しながら頷いた。
「はい……!」
二人の体から、巨大な光の柱が立ち上った。
『マナ転送:95% → 98% → 100%(完了)』
『世界樹の活性度:80% → 95% → 100%(完全復活)』




