表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残りマナ0.003%、世界の家計簿を黒字化します~追放された元監査官の最適化無双~  作者: 青柳 玲夜(れーやん)
第四章:再監査の時

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/42

第10話:オズワルドとの決着

 マナ転送が80%に達した時——


 地下空間に、新たな気配が現れた。


 オズワルド・グラナート。


 白銀の鎧。大剣。そして——900年分の執念を宿した目。



「来たか、オズワルド」


 俺は、振り返った。


「来た」


 オズワルドが、剣を構えた。


「約束通り、決着をつけに来た」


「待ってくれ、オズワルド。今、手を離すわけには——」


「分かっている」


 オズワルドが、微笑んだ。


 それは——900年間、一度も見せなかった、穏やかな笑顔だった。


「俺は、お前を止めに来たんじゃない」


「……え?」


「見届けに来たんだ。お前の『計算』が、正しかったかどうかを」


 オズワルドが、剣を降ろした。


「俺は、900年間——『選別』を続けてきた。弱い者を切り捨て、強い者だけを残す。それが、世界を守る唯一の方法だと信じて」


「……」


「だが、お前は違う方法を選んだ。誰も切り捨てず、全員を救う方法を」


 オズワルドが、俺を見つめた。


「俺は——お前の方法が、正しいことを願っている」


「オズワルド……」


「驚いたか? 俺も、驚いている」


 オズワルドが、苦笑した。


「900年間、俺は——自分が正しいと信じていた。だが、ベルの言葉を聞いて——分かった」


「ベルの言葉……?」


「俺は、苦しかったんだ。世界を守りたかったのに、守れなかった。その悔しさを——誰かにぶつけるしかなかった」


 オズワルドの目に、涙が浮かんでいた。


「レオンは、俺の弟だった。俺が一番——愛していた存在だった」


「……」


「だが俺は、彼を追放した。俺の計画を邪魔したから。俺の——弱さを、見透かされたから」


 オズワルドが、俺の前に膝をついた。


「カイ・ヴェルナー。俺は——お前に、託す」


「託す……?」


「世界を。レオンの想いを。俺の——900年分の願いを」


 俺は——オズワルドの手を取った。


「分かった。必ず、成功させる」


「ああ。頼んだぞ」


 オズワルドが、立ち上がった。


 彼の顔には——900年間で初めての、安らぎがあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ