第9話:エターナル・オーダーの襲撃
その時だった。
地下空間に、黒い影が現れた。
エターナル・オーダー。
ヴァルカスを筆頭に、100人以上の黒ローブが、俺たちを取り囲んでいた。
「やめろ、カイ・ヴェルナー!」
ヴァルカスが、叫んだ。
「世界樹を再生させるな! 世界は、滅びなければならない!」
「邪魔をするな」
俺は、振り返らずに言った。
「今、止めれば——世界は救えなくなる」
「だから止めるんだ! 世界が救われたら、俺たちのビジネスが——」
「ビジネス?」
クラリスが、剣を抜いた。
「お前たちの金儲けのために、世界を滅ぼすというのか」
「黙れ、聖騎士! お前たちに何が分かる!」
ヴァルカスが、手を振った。
「全員、殺せ!」
黒ローブの集団が、一斉に魔法を展開した。
「《ダークストーム》!」
『検出:複合攻撃魔法 消費総量 推定500,000MP』
『効率:9.8%』
『脅威度:A——エルへの直撃を防ぐ必要あり』
「エルを守れ!」
俺は、叫んだ。
だが、俺は今——再監査の制御に全力を注いでいる。
防御に回す余裕がない。
「任せて」
ベルが、俺たちの前に立った。
「《ダーク・ドミニオン》」
『検出:領域魔法発動』
『効果:術者の周囲50mを完全支配——敵の魔法を無効化』
『消費MP:測定不能』
『効率:99.99%』
黒い領域が、俺たちを包み込んだ。
エターナル・オーダーの攻撃が、すべて——消滅した。
「な、何だ……!?」
ヴァルカスが、叫んだ。
「俺たちの魔法が——」
「私の領域では、私の許可なく魔法は使えない」
ベルが、ヴァルカスを見上げた。
その目には——1,247年を生きた魔王の、圧倒的な威圧があった。
「消えて。邪魔だから」
「ひ、ひいっ……!」
エターナル・オーダーの面々が、後ずさった。
「に、逃げろ……! あいつは、本物の——」
黒ローブの集団が、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
*
「ベル、ありがとう」
「えへへ。私、役に立った?」
「ああ。大いに」
俺は、再監査の制御に戻った。
『マナ転送:50%完了……』
『世界樹の活性度:12% → 35%(回復中)』
『滅亡までの猶予:1,200日 → 2,500日(暫定)』
世界樹が、目覚め始めている。




