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残りマナ0.003%、世界の家計簿を黒字化します~追放された元監査官の最適化無双~  作者: 青柳 玲夜(れーやん)
第四章:再監査の時

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第8話:プロジェクト・スプリング——再監査の開始

 俺は、マナ・レジャーを全開にした。


 900年分のデータが、俺の視界を埋め尽くす。


 数字の洪水。


 生まれた命。消えた命。使われたマナ。生み出された灰。


 すべてが、俺の目の前を流れていく。



『歴史の再監査リ・オーディット:実行中……』

『対象期間:912年前〜現在』

『総レコード数:800兆件』

『処理速度:1秒あたり10億件』



「すごい……」


 エルが、俺の横で呟いた。


 彼女の体から、緑色の光が放たれている。


 世界樹との接続が、確立されつつある。


「エル、世界樹と繋がれ」


「はい……」


 エルが、目を閉じた。


 彼女の体が、光に包まれていく。



『エル・アルシェラ:世界樹との同期率 10%... 30%... 50%...』



「繋がってる……世界樹の声が、聞こえる……」


「声……?」


「うん……世界樹が、言ってる……『助けて』って……」


 俺は、データの分析を続けた。


 900年分の「無駄」を、洗い出していく。



『検出された「無駄」の内訳:

・母親が子供のために祈った回数:812億回(消費MP換算:200億)

・恋人同士が交わした約束:340億回(消費MP換算:150億)

・老人が孫のために流した涙:95億回(消費MP換算:80億)

・死にゆく者が遺した最後の言葉:42億回(消費MP換算:100億)

・その他の感情由来消費:270億MP

・合計:800億MP相当』



 800億MP。


 途方もない量だ。


 だが——これらはすべて、「無駄」として切り捨てられていた。


 俺の前世が、「効率化」の名の下に。


「違う……」


 俺は、呟いた。


「これは、無駄じゃない」



『再定義中……』

『「無駄」→「投資」に変換……』

『世界樹への供給可能マナ:+800億MP』



「エル、これを世界樹に送れ」


「はい……!」


 エルの体から、巨大な光の柱が立ち上った。


 その光が、天井を突き抜け、空へと伸びていく。



『世界樹との同期率:70%... 90%... 100%(完全同期)』

『マナ転送開始……』

『転送量:1秒あたり1億MP』



 世界が、震え始めた。

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