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残りマナ0.003%、世界の家計簿を黒字化します~追放された元監査官の最適化無双~  作者: 青柳 玲夜(れーやん)
第四章:再監査の時

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第6話:王都の心臓——最後の欠片

 オズワルドが去った後、俺たちは王都の中心部に向かった。


 王宮の地下。


 そこに、最後の欠片がある。



『王宮地下「根源の間」』

『深度:地下200m』

『周辺マナ濃度:10.5MP/㎥(通常値の525%)——極めて高い』

『備考:世界樹の根の中心部——世界のマナ循環の起点』



「ここが……世界の中心……」


 エルが、息を呑んだ。


 地下の空間は、巨大だった。


 天井は見えないほど高く、壁には世界樹の根が這っている。


 そして——その中心に。


 七色に輝く結晶が、浮かんでいた。



『検出:世界樹の欠片(第七片)「調和の欠片」』

『マナ含有量:150,000,000MP』

『特殊能力:すべての欠片を統合し、世界樹を再生する』

『状態:休眠中——他の6つの欠片が揃えば活性化』



「最後の欠片……」


 俺は、結晶に手を伸ばした。


 触れた瞬間——


 俺の懐にある6つの欠片が、光を放ち始めた。


 それぞれの光が、中央の結晶に吸い込まれていく。



『世界樹の欠片:7/7個 統合完了』

『総マナ量:620,000,000MP』

『世界滅亡までの猶予:655日 → 1,200日以上(暫定)』

『成功確率:12.8%』



「12.8%……」


 エルが、涙を流した。


「10%を超えた……」


「ああ。だが、まだ終わりじゃない」


 俺は、統合された欠片を見つめた。


「世界樹を再生させるには——もう一つ、必要なものがある」


「もう一つ……?」


「『心』だ」


 俺は、自分の胸に手を当てた。


「世界樹は、マナだけでは動かない。人々の想い——祈り、感謝、喜び——それが、世界樹の『心』を支えている」


「でも、どうやって……」


「方法は、ある」


 俺は、マナ・レジャーを起動した。


「俺の瞳は、900年分のデータを持っている」


「900年分……?」


「ああ。過去900年間、世界中で流された涙。捧げられた祈り。交わされた約束。すべてが、ここに記録されている」


 俺は、データを展開した。



『歴史の再監査リ・オーディット:準備完了』

『対象データ:912年分のマナ収支記録』

『検出された「無駄」:感情由来のマナ消費 推定800億MP相当』

『備考:これらは「無駄」として計上されていたが、実際には世界樹の心を支える「必要経費」だった』



「800億MP……」


 エルが、目を見開いた。


「そんなに……」


「ああ。俺の前世は、これを『無駄』として切り捨てた。だから、世界樹の心が死にかけた」


 俺は、結晶を握りしめた。


「今度は——この『無駄』を、『投資』として再定義する」


「投資……?」


「そうだ。人々の想いは、無駄じゃない。世界を救うための、最大の資源だ」

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