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残りマナ0.003%、世界の家計簿を黒字化します~追放された元監査官の最適化無双~  作者: 青柳 玲夜(れーやん)
第四章:再監査の時

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第3話:クラリスの決断——師匠との決別

 森林遺跡を出て、王都への道を進んでいた時だった。


 前方に、見覚えのある姿が現れた。


 白銀の鎧。金色の短い髪。鋭い青い瞳。


 クラリス・フォン・アルトハイム。


 聖騎士団第三部隊隊長。


 俺の——元婚約者。



「久しぶりだな、カイ」


 クラリスが、俺に近づいてきた。


「また会ったな」


「……ああ」


 俺は、警戒しながらクラリスを見た。


「今度は、逮捕しに来たのか?」


「違う」


 クラリスが、首を振った。


「話がある」


「話……?」


 クラリスが、深呼吸した。


 そして——


「私は、聖騎士団を離脱する」


 俺は、目を見開いた。


「離脱……?」


「ああ。オズワルド師匠の命令には、もう従わない」


「なぜ……」


「この数週間、私はずっと考えていた」


 クラリスが、空を見上げた。


「オズワルド師匠は、『選別』を行っている。弱い者を切り捨て、強い者だけを残す。それが、世界を救う唯一の方法だと」


「……」


「だが、私は——それに従えない」


 クラリスの目に、強い光が宿った。


「私は、聖騎士になった時、誓った。『すべての民を守る』と」


「……」


「弱い者を切り捨てることは——その誓いに反する」


 クラリスが、俺を真っ直ぐに見た。


「だから、私は——お前の側に付く」


「俺の側に……」


「お前は、世界を救おうとしている。一人も殺さずに。その方法が——正しいかどうかは、分からない」


 クラリスが、微笑んだ。


「だが、私は——信じたい。お前の計算を」


 俺は——しばらく、何も言えなかった。


 5年前、婚約を破棄した時。


 彼女は、俺に言った。


 『お前は、数字しか見ていない。人の心が、見えていない』


 今、俺は——変わったのだろうか。


 彼女が、俺を信じてくれるほどに。


「……ありがとう、クラリス」


「礼は要らない。私は、自分の正義を選んだだけだ」


 クラリスが、剣を抜いた。


「さあ、行くぞ。空中庭園へ」

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