第2話:森林遺跡——第五の欠片
北西の森林遺跡には、一週間で到着した。
森は、灰に覆われていた。
だが、その奥に——緑が見えた。
『森林遺跡「エヴァーグリーン」』
『建造年代:推定1,000年前』
『特徴:世界樹の根の一部が通っている』
『周辺マナ濃度:2.1MP/㎥(通常値の105%)——周囲より高い』
『備考:遺跡の中心部だけ、灰が降っていない』
「すごい……」
エルが、息を呑んだ。
遺跡の入り口には、緑の木々が生い茂っている。
灰色の世界の中に、まるでオアシスのような——緑の楽園。
「ここは、世界樹の根に守られている」
俺は、遺跡の中に入った。
「だから、灰が降らない」
「世界樹の根……」
エルが、木々に触れた。
「温かい……」
「世界樹は、まだ生きている。枯れかけているが——完全には死んでいない」
俺たちは、遺跡の奥へと進んだ。
*
遺跡の中心部。
そこには、巨大な根が地面から突き出していた。
その根の先端に——淡い緑色の結晶が輝いている。
『検出:世界樹の欠片(第五片)「生命の欠片」』
『マナ含有量:90,000,000MP』
『特殊能力:生命力を増幅——周囲の植物を活性化』
『状態:活性化中』
「第五の欠片……」
俺は、結晶に手を伸ばした。
触れた瞬間、温かさが全身に広がった。
命の温もり。
世界樹の、最後の輝き。
『世界樹の欠片を入手しました』
『世界のマナ残量に加算:+90,000,000MP』
『滅亡までの猶予:517日 → 582日(+65日)』
「65日……」
エルが、呟いた。
「また、延びた……」
「ああ。残りは、あと2つだ」
俺は、欠片を収納空間にしまった。
『世界樹の欠片:5/7個 回収済み』
『成功確率:2.4%』
2.4%。
着実に、上がっている。
「カイさん、次はどこに行きますか?」
「空中庭園だ。王都の上空に浮かんでいる、古代の遺跡」
「空中庭園……」
「そこに、第六の欠片がある」
俺たちは、遺跡を後にした。




