これは・・・!人を駄目に出来るベッド・・・!
ついにベッドを受け取る。ひとを駄目にするクッションとかありますよね。要はそれです。私は使ったことないので、どんくらい駄目に出来るのかよくわかりませんけどね?
はい。最高級寝具を受け取る前にお祈りしたら神を名乗る不審者に絡まれた私です。
お祈りをしただけなのに、なぜ創造神に絡まれなければいけないのでしょうか。しかも、たいした用事でもなかったですし…ただの時間泥棒じゃないですか、無駄に疲れましたし。…まぁいいです。アンドレアさんのお店にベッドを受け取りに行きますか。開いてなかったら出直そ。
到着しましたけど…開いて…ますね。良かった、様子を見るくらいはできそうですね。
「おはようございます!アンドレアさん。一応今日が約束の日なので、様子を見に来ましたけど、どんな感じですか?」
「おう、嬢ちゃん。らっしゃい。注文品ならもう出来てるぜ。」
「ホントですか!早速見せて貰ってもいいですか?」
「おう!奥の工房に案内すっからよ、存分に見てってくれや!なんせ俺の職人人生の中でも1,2を争うくらいの出来だからな!」
なんと…‼それは非常に楽しみですね…!職人の会心の一品。どれほどの物に仕上がっているのか…恐ろしくもワクワクします…!
店の奥の工房に案内され、そこには…もう見るだけで分かるくらいのとんでもベッドが2つ、鎮座しています。
こころなしか、陽の光を受けてシーツがキラッキラ輝いて見えます。
「少しお行儀悪いですけど、試しに横になってみてもいいですかね?」
「フフフ…嬢ちゃん。試しに横になるのは構わねぇが、溶けるなよ?俺も作業中何度もこの眠気の魔力に襲われたことか…」
溶ける…?そんなに…?ゴクリ。よ、よし。心の準備をして…いざ!勝負!
あっ…これ…しゅごい…ふんわりと眠る人を包み込むふわふわさ…それにすごく暖かい…あと、土台が…どっしりしてて…安心感もあって…木の匂いに包まれるぅ…これは…安眠確定…なんなら…アンドレアさんが…溶けるな…って言った理由が…よく…分かり…まs…( ˘ω˘)スヤァ
「…ん!おーい!嬢ちゃん、起きろ!」
「ムニャ…もうあと…5時間…」
「そんなに居座られちゃ流石に迷惑だっつーの。…はぁ、悪く思うな…よっ!」ガバッ!
布団を剥ぎ取られ…なんとか目が覚めました…危なかった…
「ハッ…‼…アンドレアさん…私…どれくらい…寝ちゃってましたか…?」
「安心しろ、精々2,3分だ。それで、代金の話をしたいんだが…その前に渡す商品を確認させてくれ。思いの外量が多くなっちまってな。」
「?このベッド2つだけでは?」
「それがな…つい、興が乗っちまってな!そも、ベッド自体が1日半で出来た。そんで暇だったし、材料も余ってたんでな、寝るのも忘れて家具一式を作っちまったわ!ガッハッハッハ!」
「え、それ、大丈夫なんですか?あの、私のせいで無茶をさせてしまってg…」「謝んじゃねぇよ嬢ちゃん。嬢ちゃんは悪くねぇからな。それに俺はな、無茶なんぞしておらんぞ?ちゃんと休憩はとったし、飯も抜いておらんからな!ただ寝るのを忘れて没頭しただけよ!」
「いや、寝ないのはまずいのでは…?」
「こんなもん大したことないぜ、俺たちドワーフは頑丈だからな。5日間眠らずとも平気だぜ。」
「そんなもんなんですか…」「そんなもんだぜ。」
「んで、リストはこれな、確認してくれ。」
渡されたリストを見ると…まず、大きいテーブルが2つ…丸い小テーブルが4つ…椅子が6脚、ソファが2つ…え、確かにだいぶ適当な量の木材渡しはしましたが…この時点で想定よりも家具が作られています…あ、まだあるんですね。えーと、収納棚が4つ…?これでリスト自体は終わりですし、別に持ち運びは私のアイテムボックスがあるので困りはしませんが…これ全部を3日で作ったってことですよね…?
「多くないですか?3日で作ったにしては…」
「まぁ、嬢ちゃんがくれた木材…エボルブウッド…だったか。あれは加工のしやすさはかなりのもんでな。そんで、ベッドは確かに苦労したが、他の家具はそもそも、設計図あるからな。それがなくとも慣れでパッと作れる。」
「すごいですね…職人さんって。」「だろう?ま、嬢ちゃんもものづくりをしてたらいつか分かるようになるだろうぜ、この感覚が。」
「あはは…まぁ、分からないでもないですね。それで…これらの代金の方は…いくらに?」
「ベッド以外はぶっちゃけおまけだ。無論手を抜いたという意味ではないからな?だから格安でいい。ベッドの方も素材持ち込みだからな、半額になる。」
「えーと、それ、利益は…」
「出るぞ?嬢ちゃんが持ち込んだ素材で作ってっからな。ぶっちゃけ元手はただだから、銅貨1枚でもとれりゃその時点で黒字よ。ま、今回は手間賃で…金貨5枚でいいぜ。」
「いや…絶対もっとしますよね。」
「素材持ち込みなしだったら、軽く金貨150枚は消えるだろうな。そんくらいのとんでも素材だぜ、あの木材はよ。」
「だったら、最低限その半額は払いますよ。」
「いやいい…つっても嬢ちゃんが納得しないだろうが…なら、そうだな…あのエボルブウッドを定期的にうちに卸してくれや。その上で、嬢ちゃんは今回の代金として…金貨30枚を支払ってくれ。これならお互い損はしないだろう。」
「金貨30枚ですか…まぁ、分かりました。即金で支払いますね。交渉については…内容はいいですけど、契約書はしっかり作ってもらえるんですよね?」
アンドレアさんは大丈夫だとは思いますけど、人間、腹に一物を抱えている人もいますし、表面は人が良くてもウラでは…なんてこともありえますからね。
「嬢ちゃんはしっかりしてんな。騙されやすそうだとちょいと心配しちまったが…そんなこたぁ無さそうで安心したぜ。代金は確かに受け取った。契約書はこれから作るぞ。」
「そういえば…今更ですけど、お店の接客は大丈夫なんですか?」
「ホントに今更だな…ま、そう頻繁に客が来るわけではないから問題ないだろ。契約書作んのはすぐに終わるしな。」
「つーことで、契約内容はこんなもんでどうよ?嬢ちゃんは卸せる時に卸せるだけ卸してくれ。代わりに納品されたら、その対価は払うぜ。5kgの納品ごとに金貨10枚で。一度の量が多すぎたら流石に支払いは少し待ってもらうことになるが…」
「ん…契約書にも不当な記述はないですね。じゃあ、月に2回納品するようにしましょう。それで、代金の方ですけど…」
「納品されたらその分は払うぜ、それとは別に嬢ちゃん、ギルドに口座は持ってるか?持ってるなら、定期的にそっちにも金が入るようにするぜ。」
「それ、お店の経営危なくなりません?」
「大丈夫だっての。そもそも、うちの工房は実はオランド商会の傘下ってことになってるしな。それに、俺の作る家具は需要も高いからな。収入的には問題ねぇ。下手に嬢ちゃんに損させる真似はしねぇよ。お得意様だからな、言い方悪く言えば、嬢ちゃんに媚を売っとこうってこった。」
「そこまで包み隠さずに言われると逆に何も言う気が起きないですね…まぁ、じゃあ、その条件でこのお話お受けいたします。」
「よし来た!これからよろしくな、嬢ちゃん。」
「はい。お願いします、アンドレアさん。」
思わぬところで安定した収入を得ることに…オランド商会って…たしか…この国全土に支店を持っているような大規模商会でしたっけね…すごいところとのつながりを私は今日得てしまったのかもしれないですね。
お疲れさまです。ノリで書いていると思い付きでついつい余計な要素を突っ込んでしまいます…今回で言うところの商談の部分からがそれに該当します。
次回は…もしかしたらリンちゃんの兄貴(3男)が出る…かもしれない。冒険者として。前回の仲間云々はもう少しあとの回収になります。では、次回もよろしくです。m(_ _)m




