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俺が魔法を使えた頃  作者: 於田縫紀
第12話 家を出た日

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78 最後の放課後(2)

 もう一度頭を下げて終わりにしようとしたところで、メイがニヤリとして口を開いた。


「ついでだから引っ越し先の場所についても、県だけではなく最寄り駅で。それ以外も質問ありだからね。今日が最後だから、かなり攻めた質問でも問題ないよ。部長の名にかけて私が許可するから」


 メイ、容赦ないな。

 でもここ文芸部なら、その程度は話しても問題ない。

 教室だと三浦をはじめとする馬鹿がいるから、メイもこんなことは言わないだろうし。


「場所は千葉県竹出市。駅で言うと鵡差野線と北相線の交点にある東竹出駅だ。家はそこから歩いて5分くらいの3LDK。まだ実際に行ったことはないけれど」


「いいなあ。駅が近いし、ビッグサイトや店にも行きやすそうで」


 2年の麻木は、ある程度場所がわかる様だ。

 少なくとも三浦よりは把握しているのは確かだろう。

 でも何故ビッグサイトが出てくるのだろう。

 なんて思いながら軽く返答。 


「でも近くに本屋は無さそうだぞ。竹出か舟端に出ないと」


「親戚が新釜ヶ谷にいるから、だいたいの感じはわかります」


 新釜ヶ谷は、東竹出から鵡差野線で4駅行ったところだ。

 つまり案外近い。

 ならある程度場所を知っていて当然か。


「でもそんなに遠くにいくとすると、メイ先輩はどうするんですか? 遠距離恋愛?」


 えっ!?

 1年小田野の口から、俺の予想外の言葉が出てきた。

 どうなんだ。

 思わずメイの方を見てしまう。


 メイは苦笑という感じの表情を浮かべた。


「残念ながら、私と津久井はそういう関係じゃないんだな。津久井はちゃんと彼女がいるしさ」


「そうなんですか!?」


 おいおい小田野、そしてメイ。

 俺はどう返答すればいいんだ。


「ついでに言うと彼女さん、私のメル友なんだな。というわけで、これ以上突っ込むと津久井が可哀想だから、この件についてはここまで。それに津久井には、できる限り早く文化祭用の短編を書いて貰わないとね。

 ということで、あまり厳しくない質問は随時受付のまま、夏休み前最後の活動を始めよっか」

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