71 火曜日の学校にて
残念ながらケイトさん流バイキング攻略法を実践するには、俺の胃袋容量が小さすぎた。
特に美味しそうなのを選んで食べただけで、もう限界目一杯だ。
正直なところ、気を抜くと吐き気を感じる程度。
衣緖菜も似たようなものだ。
『話すと危険。だから意思伝達魔法を使う』
こんな状態だから。
一方ケイトさんは、俺と衣緖菜が食べた量を合わせたより多く食べて、それでいて俺たちよりダメージが少なそうだ。
俺より身長は高いけれど細身だし、どこにあれだけの料理が入っているのかよくわからない。
「明後日に泊まるのは駅近くの別のホテルだが、そこも一応朝食バイキングはある。ここよりは少し落ちるらしいが、楽しみにしていてくれ」
ケイトさんはそんなことを言うけれど、胃袋が限界で、今は食べることなんて考えたくない状態。
それでも車で40分走って学校に着いた頃には、普通に動けるし吐き気もなくなった。
職員室に寄り、ちょうど授業がなく空いていた担任に挨拶する。
「電話で話は聞いた。うまく行けばこのまま転校という話も。こっちとしては寂しいが、津久井にとってはいい話なんだろう。良かったな」
既に先生まで話が通っているようだ。
ケイトさん、流石というべきだろうか。
◇◇◇
ただ転校も本決まりにはなっていないので、まだ先生からの発表はない。
級友からの遅刻したことに関する詮索は、家の事情で通して。
まだ土曜日の衣緖菜の件を言ってきている奴、具体的には三浦には、今まで通り『そんな人は知らない』で通して。
そして放課後。
先生の見回りが終わり、見せかけの文芸部的活動を終了させたところで。
生徒間用の連絡に使っているメッセンジャーアプリで、メイから通知が届いた。




