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俺が魔法を使えた頃  作者: 於田縫紀
第10話 改変された未来予想図

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54 状況説明

 ホテルに着くまで40分ほどの間、ケイトさんにあれこれと話を聞いた。


 今回、ケイトさんは、

 ① 昨日、衣緖菜に俺より更に詳しく状況について聞いて

 ② 早いうちに話し合いをした方がいいと判断し

 ③ 今朝、新幹線で愁多までやってきてレンタカーを借りて

 ④ 衣緖菜と合流してあれこれ聴取した

 そうだ。


「この年齢だから学校の関係がある。だからできるだけ早く手続きを進めておきたかった。ならということで、早速今日やってきたわけだ」


「ありがとうございます」


「問題ない。相談や面会の為の出張は、地方へ行ってうまい飯を食べて温泉でまったりするいい機会だ。あと今日は陽翔君にも一緒に泊まってもらう。下着や靴は衣緖菜さんに持って来てもらったし、制服くらいなら魔法で洗濯、乾燥、アイロンまで可能らしいからな」


 そういえば衣緖菜も、自分の服を魔法で洗っていたなと思い出す。

 しかしホテルに宿泊か。


「俺や衣緖菜まで、ホテル宿泊なんてすみません」


「逆だ。対象をリラックスさせて話を聞くためという名目だからこそ、経費でいいホテルを取れる。ただもう少し山側なら、もっといいホテルや温泉があったんだがな。だから次の保護対象者は、乳頭温泉郷の近くであってくれるとありがたい」


「ホテルも経費なんですか。でもNPOは、ほとんど持ち出しだと言っていましたよね」


「ああ、経費のほとんどが私からの寄付だ。そうすることによって私は収入を減らし、取り上げられる税金を減らせる。そしてNPOの方の費用で、出張と称する温泉旅行をするって訳だ。出張には面会の他にも調査とかあるしな。だいたい1件につき、5回は出歩かなきゃならない。しかし、いいホテルを使えるのは、面会とかで理由があるときくらい。つまり今日のような機会はそれなりに貴重でありがたいってことだ」


 ケイトさん、若くてそれなりに美女って感じだし、格好もブラウスとスカートなのだけれど、声と話し方は男性っぽい。

 なおかつ慣れると、なかなか話しやすい。

 出来がいい上に話せる姉貴という感じで。

 メールの文面とはずいぶんと雰囲気が違うけれど。


 そして車は愁多の北側を走り、そこそこ大きなホテルの駐車場に止まった。


「チェックインは済んでいる。夕食は午後6時30分から個室を取った。あと1時間半あるから、とりあえず部屋に行こう」


 フロントで鍵を2つ受け取ると、そのまま正面奥のエレベーターへ。

 4階で降りて、幾つか目の部屋の鍵を開けて、中へ。


 それなりに広い和室と広縁という、宿によくあるタイプの部屋だ。

 そう言っても泊まりがけ旅行に行ったのは小学校5年の冬が最後で、最近はご無沙汰なのだけれど。


「本当はベッドの方が好みだが、ちょうどいい部屋というかホテルが無かった。これは温泉を優先した結果だ。

 時間に余裕はある。だから衣緖菜さんは、のんびり1階の大浴場でも行ってきてくれ。陽翔君は私と面談だ。まあ、そんなに長くかかるとは思わない。衣緖菜さんから確認した限りでは」

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