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俺が魔法を使えた頃  作者: 於田縫紀
第9話 情報漏洩

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48/99

48 否認

 昨夜と同じようにあれこれした後、魔力車を回している途中で気絶するように就寝。

 そして今日は月曜日。昨日と異なり学校がある。

 

 7時に起きて洗面歯磨きをした後、衣緖菜に弁当を1つ出してもらって朝食。

 なお衣緖菜の朝食は、甘いパン2個といつもの柑橘ジュース。

 

 ワイシャツに学生ズボンという制服を着て、7時40分に自転車2人乗りで家を出る。


「ついでだから、魔法で自転車を動かせるか試してみようか」


『まだやめた方がいい。動かす魔法はもう使える。でも魔力が低いから、少し動かすだけで気絶する』


 なるほど。


『学校まで自転車を動かす程度の魔力なら、あと3日程度でつく。焦ることはない』


「わかった。ありがとう」


 そして基本下り坂の道を、衣緖菜の魔法ありで走ると、先週までと比べてだいぶ早く着く。

 いつもなら8時5分くらいに学校の通用口を通るのだけれど、今日はまだ7時55分に学校の通用口。

 通用口の先から左に曲がったところで自転車を止め、衣緖菜にヘルメットと自転車を渡す。


「それじゃ帰りは、午後6時頃になるから」


「わかった。基本的にこの場所で待っている」


 あとは今と逆に歩いて、通用門から学校へ。

 階段を上って廊下を左に曲がれば、3年の教室はすぐそこだ。


 なおこの校舎、2階に教室らしい造りの部屋が9室ある。

 しかし今は教室として使っているのは各学年1室だけで、残りの6室は学習支援室という名称の空き部屋になっている。

 完全な空き部屋ではなく、放課後に文化部系統の活動場所として使ったりするのだけれど。


 おそらくこの校舎が建てられた頃には、1学年につき3クラスあったのだろう。

 なんて思うと微妙にもの悲しさを感じてしまうのは、俺だけだろうか。


 なんてことを思いつつ、教室へ。

 ロッカーにカバンを入れ、教科書やタブレット、筆記用具が入った小袋を持って、適当に挨拶をしつつ自分の席にたどり着き、引き出し部分に入れたところで。


「津久井、土曜日に別の学校の女子と出かけてなかったか」


 席が遠い筈の三浦が、わざわざ席を立ってこっちに近づいてまでして、そんなことを聞いてきた。

 多分衣緖菜と電車で出かけたところを見られたのだろう。

 そうは思うけれど、説明その他が面倒なので、認めない方針で返答する。


「土曜日は特に家から出なかったぞ。気のせいじゃないのか?」


「いや、A市のショッピングセンターで女子と2人で買い物をしていなかったか? カートを押して買い物しているところを見たんだけど」


 そちらで見たのか。駅とか自転車で走っているところではなくて。

 でも確かに駅で電車に乗るまでは、衣緖菜の魔法で他人が意識しない様にしていた。

 だから見つかるとしたら、電車に乗った後、A市で歩いたり買い物したりしているところだろう。


 ちょっと考えて、全面否定しつつ話を聞きだしてやれという方針に決める。


「そもそも土曜は家から出ていないぞ。それにわざわざA市まで買い物に行く必要は無いだろう。エイオンのG町店なら、自転車で10分行けば着く。スーパーならそれで十分だ」


「でも確かにこの学校ではない女子と一緒に、カートに食料品を乗せまくって歩いてたのを見たんだ」


「そもそも俺、この辺の他の学校に知り合いはいないぞ。この前引っ越してきたばかりで、この辺には親戚もいないしさ」


「東京で別れた彼女とか、そういうんじゃないよな」


「そんなのいないし、もしいるとしても来るなら夏休みだろ。ならあと2週間先だ」


 この辺は全否定で通させてもらう。

 それが面倒が一番少ないだろうから。

 

 強いて言えばメイはスマホの関係で、俺の嘘に気づくかもしれない。

 でもメイなら、ここで余分なことを喋ることはないだろう。

 後で説明は必要かもしれないけれど。

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