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俺が魔法を使えた頃  作者: 於田縫紀
第8話 調査

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46 吉報

 調査項目を一通り埋めて、2回見直して。

 送信して時刻表示を見ると、午後7時30分。

 衣緖菜はまだ、スマホをあれこれ操作している。

 調査の内容が俺より数段面倒なのだろうか。


 ただあちらは衣緖菜用の質問だから、俺が口出ししてはまずい。

 ということで俺は、明日からの学校の予習をすることにする。


 といっても、ここの中学で使用する教科書は、既に一通り読み終わっている。

 もう一度見直して、英文をノートを見ないでささっと訳せるかとか、国語便覧を読んで授業に関係する部分に何か面白い記事がないかとか見る程度だ。


 そんなことをしながら衣緖菜の方をうかがっていて、気付いた。

 どうやら衣緖菜の方の調査は、俺の方とだいぶ違う様だと。

 時々スマホが振動して、何かを受信しているようなのだ。

 つまり、ただ調査に回答して送るだけではなく、何らかのやりとりをしている気がする。


 ただそれでも、俺が口出しする必要はないだろう。

 衣緖菜は俺と同等の知識を持っているはずだし。

 だから気付かないふりをして、国語便覧を読んで、ついでに沙石集をネットで検索して、全文が載っているサイトを発見したのでつい読んで……


 いまいち読みにくいし説教臭いなとか、作者は浄土宗や浄土真宗を嫌ってそうだとか、好き勝手なことを思いつつ読んでいたところで。


「終わった」


 衣緖菜の声で、画面から視線を上げるついでに時間表示を確認。

 午後8時03分だ。


「結構かかったな。俺の方は選択肢タイプの質問が30問だったけれど、もっと質問が多かったとか、難しかったのか?」


「途中で何回か、ケイトさんに質問したから。私の部下の内2人は、ケイトさんのNPOで把握があるらしい。多分5360012と5340018」


 えっ!?


「良かったじゃないか」


「現時点で把握は2人だけど、他にもいるかもしれない。似たようなNPOや他の情報源に当たって、近日中に確認してくれるそう」


 上手く行けば、早くも当初の目的達成か。

 正直なところ、こんなに早く見つかるとは思わなかった。


「全員が見つかるかどうかは、わからない。行政機関ではないから、情報が取れない場所の方が多い。でも出来る限り調べると約束して貰った」


 元々部下5人は、衣緖菜の魔法で『今後よりよく生きていけること、楽しいと感じること、来て良かったと感じること』を条件に座標を確認して飛ばしている。

 だから問題ない環境にいる可能性が高い。

 それでも今の状況を確認出来れば、安心出来る。

 

「良かったな」


「うん」

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