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俺が魔法を使えた頃  作者: 於田縫紀
第7話 次の作戦 ⑵

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40 回答

 おにぎりを食べながら考える。

 近未来予知魔法で何か方法があると見えたのだ。

 だからきっと、何かいい方法があるはず。


 しかし俺がこれ以上ここで調べても、何か出て来そうな気はしない。

 なら、さっきメイから聞いた方法その2を試してみよう。


「それでもわからなければ、いっそネット上で不特定多数に向かって、匿名で聞いてみるというのもありかな。SNSとか、知恵袋的なところでね」


 だから午後は、質問をネットで投げてみるつもりだ。

 ただ、そういった具体的な作業がない衣緖菜は、そろそろあの図書室に飽きるかもしれない。


 ここの図書室は、図書館というほど本が充実していない。

 たとえば、百科事典がブリタニカしかなく、平凡社の世界大百科がないとか。

 国勢図会がないとか……


 小学生用の児童図書室に、多少大人の本も付け加えましたよ、という感じの蔵書なのだ。

 町が小さいし、小学校に併設しているせいもあるかもしれないけれど。

 だから昼食を食べ終わったところで、衣緖菜に聞いてみる。


「午後はどうする? 図書室に飽きたなら、他を見て回ってもいい。何なら、自転車を使ってもかまわないから」


「陽翔はどうする予定?」


「もう少し図書室の、今度はフリースペース側で作業をしようと思う」


「なら私もそうする。本を読むという体験が面白い」


「わかった」


 図書室で衣緖菜と別れて、フリースペースの作業机をキープ。

 タブレットとスマホ、両方を出して作業開始だ。


 人に聞くと言っても、日本語で素直に『異世界から来て、日本国籍を取りたい』なんて書く気は無い。

 読むだけで疲れる上に役に立たない、くだらない返信ばかりがやってくるだろうから。


 質問の本文は、全て衣緖菜の記憶にある異世界語で書く。

 その上で、『この言葉の意味がわかる人がいますか』と付け加えて質問する、という形式で投稿するつもりだ。

 この形式なら、使える回答か、関係ない回答か、すぐわかるし。


 メインの質問の文面は、こんな感じでいいだろうか。


『異世界から来たという15歳の女性を保護しています。出来れば戸籍を取って日本の学校に通わせたいのですが、適切な方法があれば教えて下さい。なお現在、信頼出来る大人の協力者がいない状況です。また、近未来予知魔法では、児童相談所などに訴え出るよりいい方法があると出ています』


 これを異世界語に直して、日本語で音を表記して。

 あと、この質問専用のメールアドレスを作って、そのメールアドレスでSNSやポータルサービスのアカウントを作って、スマホに登録して……

 思った以上に手間がかかる作業だ。


 それでも、大手ポータルサービスの知恵袋に1つ、SNSサービス1つ、そしてQ&A専用サイトに1つ質問を書き込んで、時刻表示を確認。

 午後2時17分。2時間近く、この作業をやっていたことになる。


 少し休憩して、本でも読もうか。

 それとも、今日の分の勉強をしておこうか。

 そう思いつつ、確認の為に書き込んだ、それぞれのサービスを巡回したところで。


 最初に投稿した大手ポータルサイトの知恵袋に、早くも1件、回答が上がっていた。

 予想以上に早い。

 どうせネットに常駐する暇人の、役に立たない内容だろう。

 そう思いつつ開いてみて、そして、ぎょっとする。


『こんな返答ではいかがでしょうか。

「みぴにあす あえすたす ぷれぼね ね あふぃししーちぇ。ど ぼんう゛ぁる こんたくち みんせらすば あだれそ。えくしあらふしあるで@あれいそ.ておま」』


 この返答、『みぴにあす……あだれそ』までは、衣緖菜の知識がある俺には読める。

『こちらに直接投稿するのはやめた方が良い内容ですので、下記アドレスまでご連絡ください』


 えくしあら以降は、メールアドレスだ。音を異世界のアルファベットになおした後、こっちのアルファベットに直せば、いかにもありそうなメールアドレスになる。


 間違いない。

 この返答を書いた人は、衣緖菜の世界の言語を知っている。

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