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俺が魔法を使えた頃  作者: 於田縫紀
第6話 俺は気づかなかった

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36/100

36 方法

「ところで津久井、今回はいつもの勉強と違うことをしていた様だけれど、何かあった?」


 メイは気付いていた様だ。

 どう返答しようか、ちょっと考えて、無難な案でいってみる。


「ああ、ちょっと調べたいことがあってさ。興味本位で大した意味は無いんだけれど」


 そこまで言ってみて、ふと思いついたので付け加える。


「ところでメイさんに聞きたいんだけれどさ。ネットや図書館で調べても答えが出なくて行き詰まった時、どうすればいいと思う?」


「大した意味がない、という事はなさそうだよね、それって。本当は、そっちについて聞いてみたいところだけれどね。私と津久井の仲だから、見逃してやるけれど」


 メイはそこで言葉を止めて、何かを確認するかのように俺の方を見た。

 正直俺としては、どきどきものだ。

 大した意味がないわけではない。

 どうすれば衣緖菜が学校に通えるかを、調べていたのだから。


 ただそれを、ここで他人に言うわけにはいかない。

 幸いメイは、見逃してやると言ってくれた。

 だから俺は、表情に出さないように努力しつつ、メイの口元を見ながら次に出てくる言葉を待つ。


「私は津久井と違ってわからないことが多いから、結構他人に聞いて何とかする事が多いかな。調べ物で公にしていいものなら司書さんに、リファレンスとして聞いてみる。

 そう出来ないことなら、生成AIに聞いてみるという方法もある。正しい答えを返してくれるか怪しい部分があるから、後で確認は必要だけれど。

 それでもわからなければ、いっそネット上で不特定多数に向かって、匿名で聞いてみる、というのもありかな。SNSとか、知恵袋的なところでね。ネットでも割とまっとうな答えが返ってくるよ。時々、どれが正しいかを確認する作業が入るけれど。これで参考になる?」


 他人に聞く、それもAIとかネット上の不特定多数に、か。

 衣緖菜も、同じようなことをやっていたなと思い出す。


 なるほど、戸籍の件も、そうしてみればいいわけだ。

 何なら、向こうの世界の言語で書いてもいい。

 そうすれば、より実践的な意見を聞けるだろう。


「ありがとう。やってみる」


「生成AIを使うなら、私のスマホを貸そうか? アプリ入っているし」


 なるほど、生成AI用のアプリがあるのか。

 長いことスマホを持っていなかったので、知らなかった。

 でも今なら、もう大丈夫だ。


「大丈夫。スマホはあるから。でもどんなアプリか、教えてもらってもいいか?」


「もちろん。これが今のところ、調べ物には一番便利かな。出典も表示されるから確認するのが楽だし」


 メイが出してきたスマホは、ひとつ前のiPhone。

 そして使っていると見せてもらったのは、メジャーな生成AIのアプリだ。

 俺のスマホはAndroidだけれど、きっと同じアプリがあるだろう。

 そう思いつつデイパックからスマホを取り出して、ストアをクリックする。

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