↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺が魔法を使えた頃  作者: 於田縫紀
第5話 次の作戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
32/128

32 訓練

 後回しにしても、答えを出せない問題というのはあるわけで……

 結局はやっぱり感情と煩悩に負けて、あれこれやってしまった。

 ひととおり片付けて、二人で布団の中に入ったところで。


「微弱だけれど、魔力を感じる。灯火魔法が使えるかもしれない」


 衣緖菜の言葉で思い出した。

 そういえば前に衣緖菜に言われた気がする。

 灯火魔法くらいなら一週間以内に使えるようになると。


「試していいか」


「もちろん。電気を消す」


 衣緖菜がそう言うとともに、照明のスイッチがカチッと鳴って常夜灯が消えた。

 加力魔法で壁にあるスイッチを操作したようだ。

 この魔法も簡単な部類だし、あとで試してみよう。

 そう思いつつ、まずは初志通り灯火魔法から。


 魔法の使い方そのものは、衣緖菜の知識に入っている。

 もちろんこれは、衣緖菜の身体で衣緖菜が魔法を使う場合の知識だ。

 それでも魔力として認識している感覚は、俺の身体からも感じられる。

 衣緖菜の知識にある魔力と比べて、ずっと微弱だけれど。


 魔力さえ感じられれば、あとは簡単だ。

 魔法の様式にそって、ただ念じるだけ。


 ふっと部屋が明るくなった。

 電気が点いたわけではない。

 天井近くに光球が浮いているのがわかる。


「思ったより簡単だな」


「これができたら、他の魔法も時間の問題。ただ魔力を鍛える訓練はした方がいい」


 俺側の布団の脇に、そこそこ大きな物体が出現した。

 回すと玉が出てくる福引きの抽選器みたいな形で、回る部分は自動車のタイヤくらいの大きさがある。


 これが何で何のために出したかは、衣緖菜の知識ですぐに理解した。

 魔力を鍛えるために使用する、魔力車と呼ばれる訓練器。

 出した理由は、俺の魔力を鍛えるためだ。


 向こうの世界では、魔力の総量そのものは、8歳くらいでほぼ成長しきるとされている。

 ただしそれは、十分に訓練した場合の話だ。

 俺のように全く魔法と関わっていなかった者の場合は、8歳以降でも魔力を増やす余地がある。


 ただし魔力を増やせるのは、魔法に目覚めてからおよそ2週間程度。

 この間にしっかり魔力を引き出す訓練をしておかないと、少ない魔力のまま限界を迎えてしまう。


「つまりこれから、この魔力車を毎晩回した方がいいのか」


 8歳まで、もしくは魔法に目覚めてから2週間の間、魔力は使えば使うほど鍛えられて大きくなる。

 しかし魔力を効率よく消費する魔法は、大体において威力が大きい。

 つまり屋内などで使用するには危険だったりする。


 しかし、この魔力車を使えば、小さな魔力から大魔力まで安全に消費できる。

 小さい魔力でも大きい魔力でも、少ししか回転速度が変わらない仕組みになっているから。

 つまりは訓練用として便利な道具というわけだ。


「そう。2週間の間、毎晩回せば、それなりの魔力は身につくはず。この世界でも魔法が使えれば便利なことはきっと多い。魔力が無くなって気を失っても、私がいれば問題ない」


 確かに魔法が使えれば、何かと便利だろう。

 近未来予知や転移魔法を使えるようになるのは、無理かもしれない。


 しかし加熱や加力の魔法なら、割と簡単に覚えられるはずだ。

 これだけでも料理とか、学校や街に行くのが、だいぶ楽になる。


「わかった。それじゃ早速やってみる」


 魔力車の使い方は、衣緖菜の知識でわかっている。

 だから俺は魔力車に集中し、記憶にある通り、魔力を流す。

 魔力車は、ゆっくりと回転を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。