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俺が魔法を使えた頃  作者: 於田縫紀
第4話 最初の作戦

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22 車券購入

 今回最初に賭ける第2レースについては、衣緖菜が魔法で見たところ、割と『よく見える』らしい。

 1着、2着、3着にくる自転車が、ほぼ確定に近い状態で見えているそうだ。


 なら3連単という、1着・2着・3着を予想する車券でいいな。

 そう判断して、俺はテーブル上にあるマークシート用紙と鉛筆を手に取る。


 こういった公営ギャンブルは、マークシートに書いて自販機で購入する方法が一般的らしい。

 そして車券を購入するのも、払い戻しを受けるのも、同じ自販機で行うシステム。

 昨日調べて知ったのだけれど、思った以上に進んでいる。


 ではマークシートを記入しよう。

 昨日書いたメモをポケットから取り出して見ながら、必要箇所を確認。

 メモを見るのは、他に確認する方法がないから。

 スマホは持っていないし、タブレットは無料Wifiの電波が届くところか、ネット接続環境がある家や学校でしかネットに繋がらない。


 常連の老人どもは、情報紙に赤ペンで印をつけて、それを見ながら書くというのが多いようだ。

 あとはスマホを見ながら書いている者もいる。


 さて、俺はメモを見ながら、マークシートの

 ① レース開催場所は弥彦

 ② 式別は3連単

 ③ レース番号は2

 ④ 予想は1着が5、2着が2、3着が1

 ⑤ 金額が3と千円

にマークする。


 多分これで大丈夫だと思うけれど、自信がないので衣緖菜の魔法で確認してもらおう。


「これでいいと思うけれど、確認してもらっていいか?」


『大丈夫。お金が返ってくる未来が見えている』


 なら問題ない。

 ということで空いている自販機のところへ移動し、3,000円を入れて、マークシートも投入。

 内容が画面に表示された。

 間違いがないのを確認して、清算ボタンを押す。


 無事車券が出てきた。

 あとはレースが終わるのを待つだけだ。


 でもその前に、同じ場所で30分後にある第3レースや、1時間後にある第4レースの車券も買っておいた方がいいか。

 今はまだ自販機も空いているけれど、万が一混むと買いにくくなるから。


「あと2レース、予想できる?」


『第3レースは大丈夫。第4レースは未来が揺れている』


「魔力は大丈夫か?」


『まだまだ余裕がある』


 近未来予知の魔法で見えるのは、最も可能性が高い未来。

 外れることだってある。


 外れる可能性が高い場合は、予知結果が普段より見えにくかったり、別の可能性が混じって見えたりするようだ。

 それを衣緖菜は『未来が揺れている』と表現したのだろう。


「どう揺れているんだ。どこが見えて、どこが見えないか教えてほしい」


『1着はわかる。2着と3着にくる2つもわかるけれど、どちらが2着でどちらが3着かがよく見えない』


 こういう場合、車券の買い方は3通りある。

 ① 1着・2着・3着の順に当てる3連単で、2位・3位のところを入れ替えたもの2種類を購入

② 1着・2着・3着を順不同で当てる、3連複という賭式で購入

③ 1着・2着・3着のうち2つを当てればいい、ワイドと呼ばれる賭式で購入


 なお競輪の場合、1着だけを当てるという買い方は存在しない。

 必ず2つか3つを絡めた買い方になるようだ。

 俺が思うに、1着だけを当てる方式が一番単純で、分かりやすい気がするのだけれど。


 きっと何か理由があるのだろうとは思う。

 初心者というか、ほとんど知らない俺は、その理由がわからないだけで。


 とりあえず、『今の状態でこの車券が当たったら元金が何倍になるか』を示すオッズという数値を確認。

②の順不同な買い方で買うより、①の買い方で2着と3着を入れ替えた2通りを購入した方が倍率が高そうだ。


「それじゃまたこれを書いて、車券を買いに行くから」


 俺は再び、マークシート作成を開始する。

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