22 車券購入
今回最初に賭ける第2レースについては、衣緖菜が魔法で見たところ、割と『よく見える』らしい。
1着、2着、3着にくる自転車が、ほぼ確定に近い状態で見えているそうだ。
なら3連単という、1着・2着・3着を予想する車券でいいな。
そう判断して、俺はテーブル上にあるマークシート用紙と鉛筆を手に取る。
こういった公営ギャンブルは、マークシートに書いて自販機で購入する方法が一般的らしい。
そして車券を購入するのも、払い戻しを受けるのも、同じ自販機で行うシステム。
昨日調べて知ったのだけれど、思った以上に進んでいる。
ではマークシートを記入しよう。
昨日書いたメモをポケットから取り出して見ながら、必要箇所を確認。
メモを見るのは、他に確認する方法がないから。
スマホは持っていないし、タブレットは無料Wifiの電波が届くところか、ネット接続環境がある家や学校でしかネットに繋がらない。
常連の老人どもは、情報紙に赤ペンで印をつけて、それを見ながら書くというのが多いようだ。
あとはスマホを見ながら書いている者もいる。
さて、俺はメモを見ながら、マークシートの
① レース開催場所は弥彦
② 式別は3連単
③ レース番号は2
④ 予想は1着が5、2着が2、3着が1
⑤ 金額が3と千円
にマークする。
多分これで大丈夫だと思うけれど、自信がないので衣緖菜の魔法で確認してもらおう。
「これでいいと思うけれど、確認してもらっていいか?」
『大丈夫。お金が返ってくる未来が見えている』
なら問題ない。
ということで空いている自販機のところへ移動し、3,000円を入れて、マークシートも投入。
内容が画面に表示された。
間違いがないのを確認して、清算ボタンを押す。
無事車券が出てきた。
あとはレースが終わるのを待つだけだ。
でもその前に、同じ場所で30分後にある第3レースや、1時間後にある第4レースの車券も買っておいた方がいいか。
今はまだ自販機も空いているけれど、万が一混むと買いにくくなるから。
「あと2レース、予想できる?」
『第3レースは大丈夫。第4レースは未来が揺れている』
「魔力は大丈夫か?」
『まだまだ余裕がある』
近未来予知の魔法で見えるのは、最も可能性が高い未来。
外れることだってある。
外れる可能性が高い場合は、予知結果が普段より見えにくかったり、別の可能性が混じって見えたりするようだ。
それを衣緖菜は『未来が揺れている』と表現したのだろう。
「どう揺れているんだ。どこが見えて、どこが見えないか教えてほしい」
『1着はわかる。2着と3着にくる2つもわかるけれど、どちらが2着でどちらが3着かがよく見えない』
こういう場合、車券の買い方は3通りある。
① 1着・2着・3着の順に当てる3連単で、2位・3位のところを入れ替えたもの2種類を購入
② 1着・2着・3着を順不同で当てる、3連複という賭式で購入
③ 1着・2着・3着のうち2つを当てればいい、ワイドと呼ばれる賭式で購入
なお競輪の場合、1着だけを当てるという買い方は存在しない。
必ず2つか3つを絡めた買い方になるようだ。
俺が思うに、1着だけを当てる方式が一番単純で、分かりやすい気がするのだけれど。
きっと何か理由があるのだろうとは思う。
初心者というか、ほとんど知らない俺は、その理由がわからないだけで。
とりあえず、『今の状態でこの車券が当たったら元金が何倍になるか』を示すオッズという数値を確認。
②の順不同な買い方で買うより、①の買い方で2着と3着を入れ替えた2通りを購入した方が倍率が高そうだ。
「それじゃまたこれを書いて、車券を買いに行くから」
俺は再び、マークシート作成を開始する。




