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俺が魔法を使えた頃  作者: 於田縫紀
第23話 一人回収

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119 午後の予定

 昼食はまあ、間違いなく美味しい。

 朝食と違って刺身の種類が段違いに多くなっているし、刺身ではない料理も若干加わっている。


 あと小鯖半身そのままのシメサバが、美味しい。

 これはメイが俺の小サバを使って作ったもので、最後に42匹渡した内、10匹がはシメサバになって戻ってきた。

 これが売っているシメサバと比べて酸っぱすぎず、それでいて刺身よりはしっかり味がついていて、ご飯にあうのだ。

 

「メイ、うまいな、このシメサバ」


 がっついているのは、俺だけではない。

 衣緖菜もメイから5匹くらいもらって食べている。

 なお衣緖菜の場合は、いつものごまドレッシングを軽くつけるのが好みのようだ。

 味の付いたシメサバにドレッシングをかけるなんて、と思いつつ試してみると、味がまろやかになって、これも美味しい。


「実は魔法でほんの少し脱水して、マイルドポン酢につけておいただけなんだけれどね。悪くないでしょ」


「ああ。でもこういう料理、どうやって覚えたんだ?」


「うちのおじいちゃんが時々釣ってくるんだよね。大きいの狙いでエサ用に釣っているとか言っているんだけれど、エサ用しか釣れない時の方が多くて、こんなのばかり100匹とか釣ってくるから。まあ普段は揚げて冷凍にすることも多いけれど。そうすれば保存できるし、後であんかけにしたり他の料理に使えるから」


 結局、ご飯の2杯目をお変わりしてしまった。

 我ながら食べ過ぎだとは思うけれど。

 なおメイとか愛美さんたちのように、4杯も5杯も食べられる人は、きっと代謝構造が違うのだ。

 だから参考にしてはいけない。


 そして午後は、島の整備。


「せっかくのいい天気ですから、室内からではなく現場へ出た、道の整備をしませんか。南の浜への他、昔あったらしい西側への道と、北西側への道を整備し直して。1時間くらいあれば終わるでしょうから、あとは皆で海の散策なんてどうでしょう」


 確かにそれもいいかな。

 せっかく海に来たのだし、なんて俺が思ったところで。


「あえて声に出して聞くのです。カナ姉や愛美姉、衣緖菜さんは何が見えているのですか? 私は今の予定変更を聞いた後、今日この後、13時過ぎくらいからの見える未来がブレたのです」


 えっ!? どういうことだ?

 見えるというのは、話の内容からすると、未来がということだろう。

 未来が見えなくなるというのは、衣緖菜の知識によると、未来が不確定になったということだ。


 なら陽菜さんの質問は、きっとこういう意味だ。

『予定を変更したのは、未来を不確定にするためで、その不確定な未来は花音さんや愛美さん、衣緖菜に見えているのか?』


 花音さんは、頷いた。


「ええ、誰に何が起きるか、その結果短期的にどうなるかまで見えています。陽菜もきっと、同じ様に見えているからこそ、そう質問したのでしょう。違うでしょうか?」


 また、わからない会話をしている。

 でも話の流れからして、花音さんと陽菜さんの他、愛美さんと衣緖菜もきっと、内容はわかっている。


「……それなら、それでいいのです。ついでに言っておくと、今回の合宿で、この中の誰かに具体的な被害が出るということはないのです。そしてこれ以上何がどうなるかを言及しない方が、事案が発生しやすいだろうことも理解したのです」


「何かが起きるけれど、気にしないほうがいい。そう理解していい?」


 これはメイだ。


「ええ、それでお願いします」


 花音さんはそう言って軽く頭を下げて、そして続ける。

 

「南側は結菜とメイ、陽翔で、西側は私と衣緖菜、東北側は愛美と未亜と陽菜で整備をお願いします。一応道らしき場所の右側にビニル紐で印をつけてありますけれど、歩きやすい場所や整備しやすい場所があったら、印にとらわれずに整備してください。終わったら、島の北部で食料採取をしましょう。釣りもいいですけれど、海草や貝、場所によってはタコやナマコも採れる様ですから」


 ◇◇◇


 そして昼食後。

 今回の作業は、メイと結菜さんという、口数多めな組み合わせと一緒だ。

 合宿場を出て、昨日釣りに行く時に通った道の入口へ。


「結構茂っているよね、これ。道と言うには狭いしわかりにくいし。まずは道を広げる方向で、左右の邪魔な竹を地面と同じ高さで切断する形でいい?」


 メイの言葉に、結菜さんは頷く。


「それでいいと思うよ。道幅は概ね1mくらいでいい?」


「とりあえず幅1mの道を海まで作って、それでも不便だと思えば更に広げる。それでいいんじゃない?」


「そうだね。下の地面は焼き固めておく?」


「まずは海まで道を作ってから考えよう。個人的には焼いてもすぐ竹の根っこが出てきて凸凹になる気がする」


 メイと結菜さんの2人で、方針が勝手にまとまっていく。

 まあ妥当だと思うから、特に意見は言わない。


「それじゃ道幅分の場所に生えている竹を根本から切って、道を広くする。切った竹は悪いけれど、この先の浜へ転送してもらっていい?あっちでまとめて焼く方が楽だし」


「それくらいの転送だったら、簡単だから問題ないよ。それじゃ竹を切る作業をメイさんと陽翔に任せて、私は転送作業を使う形でいいかな」


「お願い。それじゃ私が道の中心から左側50cmくらいに生えている竹の切断、都筑が右側50cmに生えている竹の切断。それでいい?」


 特に問題はない。


「ああ、大丈夫だ」


 ということで、作業に入る。

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