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俺が魔法を使えた頃  作者: 於田縫紀
第22話 楽しい合宿?

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117 2日目の朝食まで

 朝6時、目覚めて皆さんに巻き込まれない様、別の部屋でささっと着替えて。

 皆さんが起きて着替えた後、花音さんからの指示が入る。

 

「魚は昨夜、充分に確保出来ましたから、今朝はタケノコの採取をしましょう。メイや陽翔は遠見魔法で探して動作魔法で掘るところまでやって貰えれば、私か衣緖菜さんが回収します。他の皆さんは、自分の魔法で採取までやってきださい。探す範囲は、この図に割り振っておきました。それぞれ自分に割り振られた範囲でお願いします。8時には朝食にしますから、それまでの間で」


 ということで、タケノコ掘りだ。

 地図で見ると、俺の範囲は釣りをした、南側の浜辺付近。

 島が小さいので、探す範囲も50m✗30m程度と広くはない。


 遠くを見る魔法で確認。

 釣りで通ったところと海沿いの浜、岩場以外は、ほぼ全面的に竹藪。

 竹は売っているタケノコのような太い孟宗竹ではなく、もう少し細い竹は、これでもかという感じでみっしり生えている。

 人が入っていくのは大変というか、無理そうだ。

 

 そして地上1m位のところに、赤いビニル紐が張ってある。

 どうやらこれが、タケノコ堀りの範囲指定の様だ。


 これって、どうやって張ったのだろう。

 転移魔法で紐を運んだ後、物を動かす魔法で紐を動かして張っていったのだろうか。

 そう思いながら、タケノコ探しを開始。


 繁りまくっている上、地面に竹の葉が積もっていて探しにくい。

 それでも良く探すと、下から竹の穂先っぽい部分が伸びている部分が見つかる。 

 遠くを見る魔法の視点を地面の下へ潜る形で探っていって、この辺でいいかなという部分を確認。


 ここから折って引っ張れるか試してみるけれど、動かせないからか折れない。

 どうやら現状では無理そうだ。


 ならばということで、物を動かす魔法を使用して、土を上へとはねのける形でタケノコの周囲を掘る。

 一気に掘るのは俺の魔力ではまだ無理。

 しかし10cmくらいずつ土を移動させることは可能だ。


 タケノコに沿って50cmほど掘ったところで、太い横方向の根っこみたいなものが見えてきた。

 この根っことの境界部分は少し細くなっている。


 ここから横に曲げるように力を加える。

 折れた! そして上に引っ張れる。

 地上に出してみると、長さは概ね60cmくらい。


「1本折った。回収頼む」


「大丈夫、見えている。回収した」


「ありがとう」


 ということで、俺は次のタケノコ探しにとりかかる。


 ◇◇◇


 15本掘って回収して貰ったところで。


「そろそろいいでしょう。朝飯にしましょう」

 

 ということで、昨日夕食を食べた広間に移動。

 今日のメニューは、イカの刺身、イカゲソ天ぷら、海草と貝の味噌汁、海草とゲソとタケノコのサラダ、ご飯。

 

「とりあえず昨日採れたものを中心に、朝食を作ってみました」


 食べてみると、やっぱり美味しい。

 イカの刺身は分厚くてもっちりしつつ、何故かほどよくこりこりともしていて、俺の知っているイカの刺身と明らかに食感が異なる。

 味も美味しい。甘みと旨みが濃いというのだろうか。


 ゲソの天ぷらはまた食感が違って、やや固め。

 でも噛みしめると、じゅわっという感じで甘みと旨みが広がる。

 味噌汁は貝の旨みが強く出ていて、ご飯に掛けたくなるような味。

 掛けないけれど。

 サラダも……


「知らない味。でも美味しい気がする」


「もう少し食べればわかる気がするのです」


「いや、これ、美味しいよ、間違いなく」


 それぞれ美羽さん、陽菜さん、結菜さんの感想だ。

 確かに肉中心で。イカとか刺身なんてのを食べた事がないと、わかりにくい味かもしれない。

 でも俺は、猛烈に美味しいと感じる。

 

 なお衣緖菜は、ちゃんと美味しいと感じている様だ。

 食べている様子を見ればわかる。

 あとメイも、表情がわかりやすい。

 そして花音さんが、今日この後の予定を説明する。

 

「朝食の後は、昨日釣った魚を調理する作業をしましょう。この機会にさばいて料理までしてしまえば、あとは楽ですから。そうやって料理したもので昼食を食べたら、午後はこの島の整備をします。合宿場から海岸に下りる道を3本整備して、時間があれば竹林を人が入れる程度になるまで間引こうかなと。これをやっておけば、明日にタケノコを掘るのが楽になりますし。

 あとは早めの夕食を食べて、釣りをして、お風呂ですね。お風呂の後は、昨日と同じビデオを見ながら就寝の予定です」


 何故UNOとかトランプとかのゲームではなく、ビデオという理由は、昨日結菜さんに聞いた。


「私とかカナ姉、あと多分衣緖菜さんは、気を抜くと相手の思考が見えちゃうからさ。ゲームに集中出来ないんだよね。あとはこの世界というか、日本的な思考を理解する、なんて目的もあると思うよ」


 確かに相手の表層思考が見えてしまうと、ゲームにならないだろう。

 なるほどなと納得。


 あとやっぱり、今日のご飯が美味しい。

 意識してセーブしないと、ものすごくご飯が進んでしまう。

 実際愛美さん、結菜さん、美羽さん、陽菜さん、それにメイは何度もおかわしているし。


 俺は自分の限界を知っているので、出来るだけご飯を食べないように心がけている。

 それでもイカの刺身が、強烈にご飯にあうのが……

 あと味噌汁の中に入った名前を知らない貝の身部分も、強烈にご飯を食べたくなる味だったりする。

 サラダという名目のワカメと不明な赤っぽい海草とタケノコとイカゲソのドレッシング和えも、何故かご飯が欲しくなる味だし。


 抵抗しても無駄な気がしてきた。

 2杯目をおかわりする位は、いいとしよう。

 メイが明らかに5杯目を食べているのは、流石にやりすぎだと思うけれど。


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