第147話 お兄ちゃんだから
ーーーーガンガン、ガンガン。
鉄を殴りつける音がする。
「………くっそ、こんなにぶつけてんのにコイツ、全然外れねぇ…」
サキュバスの魔族のヨルがこの場を去ってから脱出を試みようとこの腕輪を外そうと何度も何度も鉄格子に叩きつけてはいるが、少しの傷と欠けた跡がついただけだ。
「時間を掛ければいつかは壊れそうだが、こんなん時間がかかり過ぎるぞ」
こんな所で時間をかけている暇じゃないんだ。他のエルフ族達、エドラ達を救出しに行かなければいけない。
助けようとした俺がこの様だというのだから泣けてくる。
まさにミイラ取りがミイラにってやつを体現してしまったぜ。
(……ヨルと名乗った魔族が意味深な事を言っていたせいでさっきから頭の中にチラついて仕方ない)
分かってる。敵の言葉だと分かってはいるが、あの必死さは正真正銘、妹の身を案じている様子だった。
魔族は全部倒すと決意した筈なのに今の俺はその心情が揺れている。心の中のざわつきが無くなればいいと、イライラをぶつける様に力強く魔力封じの腕輪を冷たい床に叩きつける。少し疲れたので一休みを挟む事にした。
チラリと忌々しい腕輪に目をやる。魔力を封じてしまうこの魔導具をどう外そうか。
「魔力さえ込められればこんな腕輪ごとき……………いや、そうか魔力か」
(魔力が腕輪に吸収されるのなら、その吸収出来る容量を超える程流し込めばどうだ?火の精霊イフリートから貰ったこの火の魔力と俺個人が持ち合わせていた魔力を足せば…)
物は試しである。今は時間が惜しいのだ。
常人を超える魔力量と俺の身体能力なら不可能じゃないかもしれない。
初めは少しずつ魔力を流してみるが、やっぱり腕輪は練り上げた魔力を片っ端から吸い取っていく。気が抜けそうになるのを我慢して今度は一気に流してみた。
ピシッという音と共に腕輪に亀裂が入り始める。このくらいまで亀裂が入れば後は力任せでも外れそうだ。
魔力は出来るだけ温存しておきたいからな。
「おっらァァァ!!ーーーっしゃ、外れた!」
叩きつける事数回、邪魔だった腕輪はボロボロと壊れて足元に落ちた。俺の腕から外れた瞬間、魔力が身体全身を駆け回る。
グーパーと手を閉じたり、開いたりして感覚を確かめる。
「問題ないな……さて、此処から出て行くとしますか」
牢の鉄格子へと近寄った時、足元の床が揺れた。いや、城全体が揺れているのだ。
恐らくユージーン達がこの古城へ辿り着いて攻撃を仕掛けているのだろう。俺も早くエドラ達を解放して彼らと合流しなければ…。
「ーーーーっ、!!」
常人なら壊す事はまず無理だろう鉄格子を人1人分が通れるぐらいまでグニャッと曲げる。
俺、鬼人族で良かったわと思いながら難なく曲げていく。鬼ヶ島を出る前だったらこの鉄格子を曲げる事すら苦労しただろう。
自分の成長を感じつつ、この埃臭い部屋から抜け出す。
「まっ、そんな簡単には逃してくれないよな」
「ぃああァアい…?あぇい?にげらめらめらぁぁァァッ!!」
牢から抜け出したのはいいが、やはり門番らしきモノはいるもので。
ここまで来た道を引き返す様に進んでいるとこの先の扉を抜けて階段を上がればという所に奴はいた。
身体を他の獣や人と組み合わせた様な見るからに歪で恐ろしい怪物が鎮座している。
俺の存在に気付いたみたいで奇声を上げながらその手に持っている巨大な肉切り包丁を振りかぶってくる。
(思ったよりも早ぇッ!?だが、太刀筋がわかりやす過ぎるな)
肉切り包丁の軌道を読み切って真横へ飛び、床にめり込んで戸惑っている怪物の顔目掛けて硬く握った拳を振り抜いた。
「静かに眠ってろ」
聖痕、勇者の証である3本線を浮かび上がらせて勇者の力を解放、火の精霊の魔力で強化された炎の拳と共に顔を殴り付けて壁まで吹き飛ばす。
ぴくりとも動かなくなった怪物はその一撃で倒したらしい。魔族を倒した際に出るあの真っ黒な炎が怪物を包み込んで身体の端から消滅していくのを横目で確認した。
「思った通りだったな。勇者の力だったら不死だろうが何だろうが効くらしい」
魔族らを倒す度、この胸の中に入ってくる力の濁流は止まらない。俺の力を上げてくれるのはいいが、この痛みは何とかならないものかね。お陰で痩せ我慢が上手くなっちまった。
痛みを我慢して、階段へ続く扉を開く。
そして自慢の相棒がわざわざ俺を迎えに来てくれた様だ。
◆
「はい、次です」
「……貴方、聖女使いが荒いですよ!」
マリアの嘆きに耳を貸さずにレティシアは次々と行く手を遮ってくるエルフ族達を薙ぎ倒して無力化していく。
「言ってないで手を動かして下さい」
「ヒィぃぃぃぃ!鬼っ!悪魔っ!!」
「私は狼です!」
そして、積み重なっていくエルフ族の山にマリアは泣きながら魔力を手に込めて彼らの治療を施していった。
ある程度の数を退け、ようやく襲撃に終わりが見えた彼女達は正気を取り戻したエルフ族達に此処から脱出する様に伝えてアルバルトが捕らわれているだろう場所へ足を運んだ。
「この道を通って来たので……この先が目的地だと思われます」
「この先にアルバルト様が……」
牢屋へと続く階段。
一切の光がなく、暗い闇が広がっている。
降りていく勇気が試され、口にあった唾液をゴクリと飲み干して意思を固める。
レティシアとマリアの2人が顔を見合わせていざ行こうとした時だった。
コツコツと誰かの歩く音が聞こえる。
彼女達はその場から一歩も動いていない。
周りには敵らしい人影すら見当たらない。
となれば、残るのはこの先に続く階段からだ。誰かが登って来ているのだと身構えてレティシアとマリアは戦闘体制を取る。
先手必勝。姿を見せたらその首噛んでやると鼻息を荒くしたレティシアが視界に人影を収めた瞬間、ダッシュで人影へと突っ込んでいった。
近付くにつれて自分の匂いが強くなっていったのが不思議だった。移動中の頭の中で高速で叩き出された答え、それはもう一つしかない。
「アルバルトさんっ!」
「どうどう……マリアも来てたのか」
「流石はアルバルト様。自分の力だけで魅了をどうにかしてしまうなんて」
「聖痕様々って感じだけどな。それよりも残りのエルフ族を助けにいこう」
「ここに来るまでひっきりなしに私達を襲って来たのですが、マリアさんが全て治してくれました。恐らくは警備に回されていたエルフ族達でしょう。彼らは外へと誘導したので後は私達だけだと思いますが…?」
「分かった。一応、確認したい場所がある。移動しながらお互いの話を纏めるぞ」
「了解です」
物凄い勢いで突進して来たレティシアを受け止めて彼女達と話す。心残りがあるとすれば、ヴァンピスのお気に入りとなっていたエドラ達だ。彼らは警備兵にされてはなさそうであった。なら、まだこの城に取り残されているかも知れない。
念には念をという事で彼女達と情報交換しながらお互いの気付いた事や考えを交わす。
情報の擦り合わせの途中でエドラ達がいた王間まで到着してしまった。城の揺れが酷くなる中、急いでいたのが原因だ。
まあ、それよりも先にやる事があるとこの広い大きな扉を押して開ける。
ーーー中に入れば、やっぱりいた。
玉座を中心に壁沿いで佇むエルフ族達。目は虚なままで微動だにしていない。
「エドラァ…!助けに来たぞ…!」
アルバルトがエドラと叫ぶとそれに反応して彼らの脳内に言葉が響いてくる。
『おおっ、アルバルトか…!待っていたぞ』
突然、壮年と思しき声が聞こえてきてレティシアとマリアはキョロキョロと周りを見渡して首を傾げた。ここには自分達と他にエルフ族しか姿は見えない。なのに声が聞こえるというのはどう言う事だろう?
頭にハテナが浮かんでいる彼女達に苦笑しつつ、アルバルトはネタバラシをした。先程のエドラと呼ばれた男がスキルを使ってこちらに話しかけているのだという。
「ここからは聖女としての実力を見せてあげましょう〜」
「彼らの治療はマリアに任せて俺達は周囲の警戒をしておこう」
突然彼らが動き出す事があるかも可能性があるからだ。注意深く周囲の警戒とエルフ族が動き出さないかを観察する。
早速、マリアがエルフ族の治療を試みる。マリアは慣れた様子でテキパキとこなしており、あっという間に片手で数えられる程治療を終えてしまった。
「…………うごく?」
「うおお!身体が動くっ!」
「立てるか?」
「すまん、手を借りる」
所々で意識を取り戻す事が出来たエルフ族が立ち上がる。彼らは魔法耐性の高さによって意識は残っていたらしい。
取り敢えずはマリアの治療が完全に終わるまで他のエルフ族が暴れ出さないかどうか監視を手伝って貰う。
人手が足りて一息ついていた中、レティシアからある本を受け取った。
「これは……日記?何でこんな物を俺に?」
「……実はアルバルトさんが連れ去られた後、ある魔族が私に薬を置いていきました。それはその魔族の日記です。私も目を通しましたが中身を読んでみて下さい」
チラッとマリアの様子を見るにまだ少し時間が掛かりそうだ。その間の時間なら見ても良いだろう。
パラパラと日記を捲って目を通していく。
目につく文字は拙いが丸くて可愛らしい女の子が描く様な字だ。
【今日はお姉様達と一緒に城の中を探索しました。虫が出て来たりして最悪。でも、広くて誰も住んでいないから新しいお家に決めました。明日は掃除もしなきゃだけど、お姉様達と一緒なら絶対楽しいに決まってる!あ〜、早く明日にならないかな?】
最初は何の変哲もない。姉達との楽しい楽しい日々を描き続けているだけの日記。読んでいて少し気持ちがほっこりする。
そんな調子でページを捲っていくと可愛らしかった文字がだんだんと太く、力強く書いたであろう濃さの文字へと変化していった。
【ヴァンピスヴァンピスヴァンピス。お姉様を返せ!アイツだけはぜったいに許さない。許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さないゆるさない。ーーーーーーーーー絶対に殺してやる!!!】
荒々しく書かれた呪いの言葉が後へ続いている。あれ程幸せそうだったのに突如として不穏な感じになっていった。紙の端が折れたり、破れていたりと怒りは相当なものだとこの文章から感じ取れる。
思わずゾッとして日記が手から溢れ落ちそうだったが、何とか耐えて読み続ける。
【今日はお姉様達と一緒に拷問を受けました。アイツの愉しむ顔が頭から離れない。背中が今もジクジクして痛い。ミスをした私に鞭を打てとお姉様に命令して私達姉妹の反応を楽しんでいる。私がミスしたからあんな顔をさせてしまったの。ダメな私。ごめんなさいお姉様。ごめんなさいごめんなさい……】
ーーーページを捲る。
【大丈夫。リリィは大丈夫。リリィは強い。リリィはお姉様達の自慢の妹。だからこんな程度でへこたれたりしない。大丈夫、大丈夫大丈夫。だからリリィは頑張れます】
ーーーページを捲る。
【ーーーーもう嫌だ!後どれくらい耐えればいいの!?私はお前の玩具じゃない!死ね死ね死ね!ーーー嫌だ、もういきたく、ない】
ーーー指先が震える。
【大丈夫。リリィは大丈夫。リリィは強い。リリィはお姉様達の自慢の妹。だからこんな程度で大丈夫、大丈夫。だからリリィは頑張れます】
ーーー俺の心が泣いていた。
【大丈夫。リリィは大丈夫。リリィは強い。リリィはお姉様達の自慢の妹。大丈夫大丈夫。だからリリィは頑張れます】
【大丈夫。リリィは大丈夫。リリィはお姉様達の自慢の妹。だからリリィは頑張りたい】
ーーー少女の心は壊れてしまったのだろう。日記を読んでいる程、ページを捲る度にその気持ちはどんどん強くなっていくのを感じた。
【大丈夫、リリィは大丈夫】
【大丈夫、リリィは大丈夫】
【大丈夫、リリィは 大丈夫】
【大丈夫、大丈夫】
【大丈夫】
・
・
・
・
・
【誰か助けて】
ページを捲るのをやめる。これ以上は白紙だからだ。そっと本を閉じてレティシアに返す。
彼女の眼を見れば、今から俺が言おうとしていた事を分かっているみたいだ。そしてこの気持ちは俺と同じだろうとすぐに気付いた。
「……なぁ、どうしてこれを俺に読ませたんだ?」
この決断は俺達にとって最悪なのかもしれない。レティシアの覚悟を問う為に敢えて質問する。
「アルバルトさんがあの子に連れ去られた時、彼女は私に対して薬草を置いて行きました。私はその真意が知りたかったんです。何故、我々の敵である魔族が私を助けようとしたのか?私はその日記を読んで分かったんです。ーーーー彼女は救いを求めていたと」
「ふっ、自分が大変なのに人の心配とか魔族らしくないよな」
「えぇ、全く。大切な人を助けたい。だけど自分に力がなくて絶望してしまう。誰かに縋り付きたくなって仕方ない。そんな気持ちを私は知っています」
「だから俺にコレを読ませて同情を誘おうとしたんだな?リリィは魔族で俺達の敵だ。幾ら可哀想だとしてもそれは変わらない。それにそれは人類に対しての裏切りだと判断されてもおかしくないぞ」
当然リスクがある。いや、リスクがデカ過ぎるのが問題だ。
それでもレティシアは止まらないだろう。自分の中で譲れないものは何としても譲らない。そんな頑固者の彼女だ。とうに覚悟は決まっている。
「それでも私は助けたい。敵であるなら味方にします。例えそれが裏切りでも私は後悔なんてしたくない…!」
レティシアの大声が聞こえたのか周りにいた人達がこちらに集まって来てしまった。険しい顔つきで俺達を囲ってしまう。
どう切り抜けるかと頭を働かせているとエドラが俺達の前に歩み寄ってきた。
「エドラ…….」
「アルバルト、この場にいるエルフ族を代表して言う。まずは我々を解放して頂き助かった。これで妻の元へ帰る事が出来る。そしてもう一つ………」
(やっぱり聞こえていたか)
少し身構えてエドラの続きを促す。
彼は大きく息を吸って頭を下げた。
「あの魔族を…あの子をどうか助けてくれはくれんだろうか!私も少なからず憎き部分はあった。しかし、姉達の幸せを願う少女を見て不意にも自分の娘と重ねてしまったのだ。責任は私が取る。だからどうかどうか…」
私からも、俺からもとエドラが頭を下げたのを皮切りに月々と頭を下げるエルフ族達に思わずたじろいだ。
きっとリリィに対してヴァンピスが行ってきた理不尽を近くでずっと見ていたのだろう。
この中で誰1人として反対の声を荒げる者はいなかった。
ーーーだとすれば後1人。
「マリア、お前はどうだ?」
「アルバルト様。見ていたと思いますが、その魔族を助けたとして彼らの伴侶達は許すでしょうか?いきなり来て攫っていった張本人です。命令されたとしてもその事実は揺らぎません」
マリアの言葉を聞いて俯くエルフ族と俺達。
それはそうだ。その事実は変わらない。
「ですが………攫って来たエルフ族の死者は今のところ見ておりません。大した怪我もせずにいるところを見ると根は甘いのでしょうね。それなら恩を着せてこちら側の協力者に仕立て上げるのも手でしょう。手段は多い事に越した事はありませんので。まあ勿論、極秘の扱いにはなりますがね…?」
俺に向かってパチっとウィンクするマリアにその場の緊張が解けた。これで反対する者はいなくなった。ならば、やる事は決まっている。
「お前ら、こっから先は他言無用だ。俺達はリリィを保護し、ヴァンピスを討つ。エドラは他のエルフ達を率いてこの城から脱出。ミドルウッドと合流してくれ」
「アルバルトさん…すみません。私が無理を言ってしまい……」
「気にするな。俺だって最初からレティシアと同じ気持ちだったさ。ただその覚悟を試していただけだ」
ベチっと背中に柔らかい感触が…レティシアが尻尾で叩いて来たのか。まあ、何と言うかごめん。
俺の指示に従って二手に別れて行動する。
エドラ達がこの部屋から走って離れて行くのを確認した後、俺はレティシアとマリアに声を掛けて玉座の近くにあった地下へと続く階段を目指す。
エドラが言うにはこの階段をヴァンピス達が降りて行ったらしい。俺達が来る前にリリィとルイも降りて行ったのだと聞かされた。
「結構暗いな」
「ここは私にお任せをっ!光を我が元に、ライトッ!」
「この先はどうやら一本道っぽいですね」
マリアがある程度まで光の球を飛ばして進行方向の確認と敵はいないかの確認をする。
レティシアの言う通り、当分は一直線に続く道だと確認出来たので少し早歩きで道を進んでいく。
「………止まって下さい。何か聞こえます」
レティシアの耳が小さな音をキャッチした。
視界を凝らせば、視線の先に松明で僅かに明るくなっている場所を発見する。そこから音が聞こえているみたいだ。
「これは悲鳴…?それと何かを壁に叩きつける音がします」
「俺が先行する。お前らは後から様子を見て補助を頼む」
「了解です」
「アルバルト様、お気をつけて」
小さく返事を返して軽く走る。音が鮮明に聞こえ出すのと同時に嫌悪感のある声が耳に響いてきた。
この声はアイツの、ヴァンピスの声だ。
「さぁ、引導を渡してあげなさい!」
ヴァンピスに続いて聞こえたのは獣の様な汚い叫び声。魔力を通して鬼人の力を解放し、全力でその場から飛び出した。
倒れているリリィに迫る巨大な拳を受け止める。
(間に合って良かった。そして……なんかムカついてきた)
「……何がそんなに楽しんだよ。女の子虐めて喜ぶカマ野郎とか、出会って来たオカマの中でお前は最悪だ」
「どういう事なの、何でここに勇者がっ!」
ヴァンピスの声にイライラしながらも目の前のコイツから片付ける必要がある。野放しにしておいたらコイツは危険だ。そう俺の勘が告げている。
「まずはお前からだな。この木偶の坊がぁァァァアっ!!!」
勇者の力と精霊の魔力を解放。炎の纏った拳で目の前の木偶の坊へぶつけて吹き飛ばす。
今起きた事にヴァンピスの顔は驚愕といった感じで笑えてくる。
「いいか、よく聞け。勇者とか何とか関係ねぇ」
「なんで…」
「俺はお前のお兄様なんだろ?妹を助けるのに理由がいるものかよ」
一度でも兄と呼んでくれたコイツを俺はもう斬ることは出来ない。俺の事を兄と呼んでくれたのは何年ぶりだろう。
前世で俺の妹だった帆波とリリィが重なる。
(妹をこんなに傷付けた奴を俺は許さない)
背中の大剣を抜き去ってリリィの前に陣取ると刃先をヴァンピス達に向けて言い放つ。
「俺は今、イライラしている。お前ら、明日の太陽を拝めると思うなよ」
次回、アルバルトとヴァンピスの衝突。
そして目覚める悪夢。
遅くなったから長めになりました……申し訳ない。
◆
最後まで読んでくださりありがとうございます。
少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマークの登録と広告の下にある【☆☆☆☆☆】を★〜★★★★★で評価してもらえると嬉しいです。
モチベーションに繋がりますので皆様のご感想等もよかったら聞かせて下さい!
誤字脱字も教えて頂けたら幸いです!




