第七話
僕はスマホを握りしめたままいつの間にか、寝てしまってたみたいだ。時間は十八時だった。夕勤の時間になってしまっていた。急いで原付で向かう。夕方のクレイジーマート星野駅前店は賑わいを見せていた。店内はレジが列になっていた。どうやら昼勤の山口さんが残っていてくれたみたいだ。山口さんは僕に言ってきた。
「ねー塚本真由さんが来ないのよ、一体どうしたのよ?店長さん何かきいている?」
山口さんが機嫌を悪くしながら言ってきた。
「えっとすいません。塚本真由さんはお辞めになったので、もう出勤してこないので、しばらく僕が出勤致します。遅刻をしてしまい申し訳ありません。山口さん、残業代は僕が後日、僕が出しますの、退勤時間は十八時でお願い致します。」
山口さんはやれやれとした。態度で帰っていった。
僕は夕勤の子の竹内君と、業務をこなした。この子は、朝勤の中島さんと不倫関係にある子だ、凄く派手な男の子で髪の毛を金髪にしていて、片耳には髑髏のピアスをしている。前の面接で大学生だと話をしていたが、噂では、ホストのバイトを夜にやってるとか、なんとか、一緒に、お菓子の品だしをしていると、話かけてきた
「あの、店長さ、ちょっと店のこと知らないけどさ、やばくないっすかこのお店?すぐ夕勤は辞めるし、店長も何だかいつも顔色悪いし、オーナーってやつもだいぶ、やばいんしょ?夕勤の辞めた塚本真由もさ、今だから言えるけどアイツ、レジのお金、パクッテたよ、何回か見たんだけど、あと、夕勤の斎藤みのりもさ、レジでスマホいじってたし、流石に俺も注意したんだけど、店長は何も言わないから、いいんだって、言っててさ、ハッキリいって、、店長怒った方がいいよ、」
感情を失った僕は怒ることができない、それと、怒ることによって起こる人間同士の摩擦が苦手だ、摩擦がおこると気まずくなったり、居心地が悪くなる、それが嫌で嫌で仕方ない。
「そうなんだ、教えてくれてありがとう。今度注意するよ、」
僕はやんやりとそう伝えると、竹内君はまだ、話したそうだった。
「あの、俺、朝勤の中島さんに口説かれてんだけど、それも注意してもらえますか?」
思い出した、二人が公園でキスをしてる所を、僕は竹内君にそれって二人は不倫関係になってんじゃないか?と伝えてみた。
「待ってくださいよ、俺は断れなくて、しかたなく、付き合ってあげてるんですよ、ある時、公園でキスを、せがまれて、その時、中島さんの口から酒臭い臭いしててマジで気持ち悪かったんですから、」
竹内君の話はこうだった、竹内君はこの近くの、ホストクラブでバイトをしており、お店のお客として、朝勤の中島さんが、来ていたらしい、旦那と喧嘩をして寂しくて、毎晩きていたみたいだ、竹内君と同じ店で働いてると分かり、毎晩指名をして口説いてらしい、竹内君を指名してくれる人は、中島さんだけで、冷たく出来なく、そして外でも会うようになったらしい、
「俺、今度あったら襲われてしまうかもしれないよ、あんなおばさんとセックスなんてしたくないよ、」
僕はセックスと聞いて、急に落ち込んできた。休みの日また、彼女の美雪と寝ることになったら、そう思うと暗く沈む、
「ちょっと聞いている?店長?何とか注意してよね?店長が役立たずなら、オーナーに頼もうかな?あの人もやばいけど、ジュースおごってくれて、優しそうだから話は、聞いくれそう」
僕はうんと少し頷き、手に持っていた、ココアシュガレットを棚に入れたその箱はコンドームの箱に似ていて、少し気持ち悪くなった。
噂話は所詮噂話、それは真実といつも違う、まるで人間の内側に秘めた性質みたいなものだ、この人は優しい人、この人は気難しい人、この人は怒りんぼう、それらは表面で見たものであり、内側を覗いて出した答えではない。内側はいつだって、時計の部品みたいで細かい。その細かい部品のコアが怪物なのだ、その怪物はいつだって餌を求めている。




