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死にたい貴方に送る自殺体験型テーマパーク  作者: 百合香


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第四話

 ようやく品だしが終わった、そろそろお客さんが入り出すのでカウンターフーズを作らなくてはいけない、うちの看板商品クレイジーチキンを50個揚げる、その他、アメリカンドッグ等定番商品を、各10個位揚げる。季節は冬なので肉まんも、出す、肉まんは保温時間もあるので、早めに出しておく。


 お客さんがパラパラ入ってきた、僕は、レジに立った、ここから九時まではレジ打ちになる六時からは一人増えるが、朝のラッシュは二人だけでは余裕がない、絶えずやってくる、お客さんは、クレイジーチキン、肉まん、を頼んでくる、なのでオリンピック選手並みに早く動かなくてはならない。僕はそれが、凄い苦手だ、近年ではコンビニのレジは自動化されてきてはいるが、クレイジーマートはレジの進化は止まっている、まるで僕みたいだ、僕も人としての進化がずっと止まってしまっている。


 ようやく九時になり、僕の夜勤業務は形だけでは終わった。ここから退勤をして、僕ができなかった事が始まる、当然、残業代はない、ここからはエンドレスだ、


 朝勤の田村さんと中島さんに引継ぎをした。

 「申し訳ありません。今日は掃除できませんでした。後は通常通りでお願い致します。」

 僕がそう言うときさくな、中島さんが、

「いいのよ、相原店長、またオーナーでもきた?あんまり相手していると体壊しちゃいますよ、それより、聞いてくださいよ、朝、また旦那が、、、」

 中島さんは二十八歳の主婦のパートさんだ見た目はいたってどこにでもいる、女性感だメイクも薄く派手さはない、いつもジャージみたいな軽装で来ている。お子さんが保育園に通っており、電動自転車に乗っている。でも僕はこの間、僕は見てしまった、夕勤の高校生の男の子と一緒に近くの公園で二人でキスをしてるところを、

  

 一方の田村さんは、少し派手めなメイクをしていて、三十歳のパートさんだ、普段は、二十代前半のような服装をしている。仕事がない日に外でバッタリあったら、旦那さんと仲良く歩いていて、両肩がでているオフショルダーの服を着ていた、鎖骨の下の部分には、蝶々のタトゥーが入ってるのが見えてセクシーだった。


 きっと僕とは別の世界で生きてきた人だと思う。旦那さんも美容室で務めていると聞いた。旦那さんも僕とは別の世界で生きてきた人間なんだと思う。


 田村さんが黙々と仕事をしている傍ら、中島さんは少しまだ眠いのか、ダラダラと仕事をしている。この世界は何故か知らないが、見た目では簡単に人は判断ができない。

 見た目が派手で、昔ヤンチャをしていた人ほど社会人になれば、せっせっと真面目に仕事をする。それでなんか若い時にしたイジメや悪いことが、まるでなかったみたいにチャラになる。世界の常識の見方もそうだ、あんな悪い子がこんなに真面目になってと、美談に変わり英雄扱いだ、一方でイジメにあったり、悪いことをされて被害にあった人たちは、心に傷がつき、その傷口から、ねじ曲がった欲望の怪物が生まれ、僕たちの生活を一変させていく、地味な中島さんも何か怪物を飼っていて、その怪物の意志にしたがい、不倫をしてるのかもしれない。

 

 僕は残ってる仕事を始めた。電話がなりだした。画面には昨日の夜中に見た、番号が載っていた。こちらから電話をすると、言ったのに、向こうは我慢ができなったみたいだ。

 「お電話ありがとうございます。クレイジーマート星野町駅前店でございます。」

 僕はいつものように電話に出た。


 「あの、相原店長さんですか?塚本真由の母ですけども 、昨日は感情的になりまして、申し訳ありませんでした。私も冷静に考えました。」

 「いえ、こちらこそ大事な娘さんに残業をさせてしまい、申し訳ありませんでした。」


 塚本真由のお母さんは冷静さを取り戻したようだ、実はクレームというのは案外、時間が解決してくれる場合がある、怒りというのは案外時間がたてばおさまるものだ。


 「あの、真由は今日限りで辞めさせていただきますので、そのつもりでお願い致します。」

 こうなると思っていた、僕は分かりましたと、言い、改めて謝罪をし、電話は終わった。

 シフト表の塚本真由の名前を消した。それを見ていた田村さんは、またですか?と聞いてきた。そうなんですよ、と軽く言って、事務所に戻った。僕は田村さんの、またですか?の言葉の意味を知っていた。

 こういう事が過去に何回かあったので、それで田村さんは嫌悪感を露わにしたのだ。


 クラスで目立たなかった子が社会に出たとしても、結局は目立つような人たちに埋もれて行く。僕が店長として、ここのお店に来た時から、田村さんとはうまく行ってなかった。最初の挨拶から、嫌悪感が顔から出ていた。ここの前の店長は声が大きく爽やかな店長だったらしい、少し髪の毛を染めていて、夕勤の人たちや周りの人たちとも、うまくやってたみたいだ。その店長といつも、比べられてるらしい。人はいつだって何かと比べたがる、そして自分にあった物差しで人を判断をしていくのだ。

 

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